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テレビジョンのゴースト波源探知システム

  • 写真なし宮沢 寛
 テレビジョンのゴースト障害は、1963年の建築基準法の改正で中高層建造物の規制緩和以降に顕著となり、東京・新宿の副都心に超高層ビルが建設されるにいたっては、ゴースト障害が広範囲に発生し、社会問題ともなってきた。

 これを契機に、全国の大都市・中都市でも大型建造物および高圧送電線などの建設が盛んになり、テレビジョンのゴースト障害が急増しだした。

 ゴースト障害の現象や定量的評価手法の研究が進んで、ゴースト対策を原因者が負担して改善することが、国・自治体の指導で行われたが、都市内で発生しているような複雑なゴースト障害の発生源を特定することが非常に困難であった。

 それまでは、複数の場所でゴースト波を測定しゴーストの発生場所を推定することが行われていたが、複数のゴースト波が発生している都市内の様な状況では推定精度が低く、さらに時間と非常に労力を要した。すなわち、複数の測定点で測定するのではなく、測定用の受信アンテナを移動することなく1箇所でゴースト波の発生原因を探知することが望まれていた。

 ゴースト波源探知システムは、このために開発したもので、測定用のアンテナを72の方向に1回転させながら遅延時間の違いにより複数のゴースト波を分離して、各ゴースト波の受信パターンを求めることで到来方向を測定し、さらに遅延時間の値とともに計算して、ゴースト波の発生源の位置を探索する装置である。遅延時間対ゴースト波の大きさは、チューナー出力を中間周波数に変換後、検波位相の直交した2つの同期検波出力の垂直同期信号の立下り波形を差分して、それぞれの2乗の和の平方根を求めて得られる希望波のパルス波形とゴースト波のパルス波形を用いて測定する。

 装置は、制御と演算にマイクロコンピュ-タ-を用いて短時間に高精度で測定できるように、テレビ信号をAD変換するデジタル機器などで構成している。装置を受信サ-ビスカ-等に搭載することにより、アンテナポ-ルに取り付けた比較的指向性の鋭いアンテナを一回転して,各方向のゴ-スト波を遅延時間で分離して測定した後,其のデ-タを演算処理してゴ-スト波の発生源の位置をブラウン管の上に表示することができる。またはX-Yプロッターで地図上に表示して、ゴースト波の発生源の建物を探知・特定できる。測定時間は約10分である。実際のゴースト障害が発生している場所における野外実験の結果から、ゴースト発生原因の探知に十分な実用性を有することも明らかになっている。

 本研究の成果に対して、映像情報メディア学会は、1984年、宮沢 寛(NHK)に丹羽高柳賞論文賞を贈った。

文献

[1] 宮沢 寛、ゴーストアナライザー、1981年、NHK月報,20,9,pp.352-357(Sept.,1979)
[2] 宮沢 寛、ゴ-スト探知の一方法、1980年、信学会EMCJ80-65 pp.59-64
[3] 宮沢 寛、テレビジョンのゴースト波源探知システム、1984年、テレビ誌、38,2、pp.157-163

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分野のカテゴリ

放送
(無線や光による伝送)

関連する出来事

1983年
郵政省「ゴースト波探知システムの開発に関する調査研究会」

世の中の出来事

1984
グリコ・森永事件が起こる。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

ゴースト障害、ゴースト波源探知、無線伝送、アンテナ・伝播
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