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マルチスケールモデルに基づくセメント系複合材料と巨視的構造応答の統合

  • 前川 宏一前川 宏一
 微細構造内に展開する物質科学の知見から,ひび割れを含むコンクリート構造の挙動までを数値解析プラットフォーム上で連成統合し,時空間軸でセメント系複合材料と部材性能・構造挙動を定量化するシステムを構築したことが,本研究の業績である。長年の構想のもとに,水和反応によって形成される微視的スケール(nm~μm)の空隙構造と水和反応を一元的に扱う方法を提示し,この微細空隙構造の変形から,より巨視的なスケール(μm~mm)での変形を与える構成則を,セメントペーストと骨材相互(mm~cm)の熱力学的相互作用も考慮の上に理論構築した。これらの知見の統合から予見される収縮,クリープ,鋼材腐食により引き起こされる応力場は,構造部材に作用する外力系によって励起される主応力方向と常に非直交関係を形成する。そのため,多方向非直交ひび割れ群を厳密に記述した巨視的構成則を組み上げ,腐食劣化等を内在する部材の耐力や靱性の定量評価を可能とした。このシステムにより,長大PC上部工の長期過剰たわみの予測が最近になって可能となり,交通荷重下での床版の疲労寿命と水分の関係や,自己収縮に伴うせん断耐力の減少などの解明に繋がっている。水分子の寸法に相当する微細空間からキロメートルレベルの社会基盤空間にまで広がる物理化学・力学事象の統合評価を可能にした知識構造化の構築と実用化が高く評価され,研究業績賞に相応しいと認められた。

 本研究の成果に対して、土木学会は、2010年、前川 宏一(東京大学大学院)に研究業績賞を贈った。

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キーワード

マルチスケールモデル、セメント系複合材料、ひび割れ、コンクリート構造の挙動、数値解析、定量化システム構築、巨視的構成則、長大PC上部工、長期過剰たわみ、床版の疲労寿命
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