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イッテルビウム超低温量子系の創出

  • 写真なし高橋 義朗
ボース・アインシュタイン凝縮状態に閉じ込められた174Yb原子が解放されたときの広がりの時間変化。

図1 ボース・アインシュタイン凝縮状態に閉じ込められた174Yb原子が解放されたときの広がりの時間変化。

核スピンで 6 重に縮退した場合と通常の電子スピンのように2重縮退したフェルミ粒子を光格子に閉じ込めたときの密度分布。

図2 核スピンで 6 重に縮退した場合と通常の電子スピンのように2重縮退したフェルミ粒子を光格子に閉じ込めたときの密度分布。

高橋義朗氏はイッテルビウム(Yb)中性原子気体の冷却・閉じ込め、光格子の導入により、さまざまな新しい量子系を実現し、冷却原子研究の中で世界を先導する役割を果たした。Ybには核スピンの異なる安定な同位体が多数存在するので、それらを組み合わせることにより縮退度の異なるボース粒子やフェルミ粒子からなる多彩な量子系を作り出すこ とができる。Ybは最外殻軌道に2個の電子を持ち(2電子原子)、全電子スピンがゼロとなって磁気モーメントを持たないため、最外殻電子が1個のアルカリ原子の場合とは異なり、通常の磁気トラップによる閉じ込めができない。高橋氏は、全光学的な冷却・閉じ込めの技術開発を行い、ボース・アインシュタイン凝縮やフェルミ縮退を実現し、さらにすべての同位体間の相互作用のパラメーターを決定して、光格子中に量子統計性の異なる粒子からなる多様な量子系を作りだすことに成功した.強い相関により生成される「ボース・フェルミ混合モット状態」や、高いスピンの対称性を保持した「SU(6)フェルミ・モット状態」などの未知の量子状態がその例である.この研究が契機となり、理論研究も盛んになり、Ybや他の2電子原子を用いた同様の実験が世界中で行われるようになった。高橋氏は「2電子原子を用いた量子系の研究」という新しい研究分野を切り開いた。


 本研究の成果に対して、仁科記念財団は、2013年、高橋 義朗(京都大学)に仁科記念賞を贈った。

文献

1)Y. Takasu, K. Maki, K. Komori, T. Takano, K. Honda, M. Kumakura, T. Yabuzaki, and Y. Takahashi, Phys. Rev. Lett. 91, 040404 (2003).
2)S. Sugawa , K. Inaba, S. Taie, R. Yamazaki, M. Yamashita, and Y. Takahashi, Nat. Phys. 7, 642 (2011).
3)S. Taie , S. Sugawa, R. Yamazaki, and Y. Takahashi, Nat. Phys. 8, 825 (2012).

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キーワード

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