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光格子時計の発明

  • 写真なし香取 秀俊
光格子時計の概念図

図1 光格子時計の概念図

光格子時計の安定性

図2 光格子時計の安定性

 香取秀俊氏は光格子時計、すなわち、多数の中性のストロンチウム原子を特定の「魔法波長」の光定在波でトラップすることによって、一次のシュタルク効果を相殺すると同時にドップラー効果の無い光の無反眺吸収・放出を実現し、高精度の時間標準を作る方法を2001年に提案した。その後、2003年に手法を実証し、2011年には超高安定度動作を実現するなど、その実証においても世界をリードしてきた。現在、SI単位系の「秒」はセシウム原子のマイクロ波遷移で定義されているが、原子の光学遷移を利用すれば格段に高精度の秒の定義が可能であると期待されており、18桁の精度実現を目指した研究が進められている。数年前までは振動電場中にトラップした単一イオンの光学遷移がその有力候補であったが、香取氏が発明した光格子時計は、多数の原子を用いることで量子雑音を制御でき、より高精度の時間標準を作れる可能性があり、時間標準研究および付随した物理研究に新たな潮流を作り出した。精密な時間標準は、GPSによる測位計測などに重要な基幹技術であるが、同時に将来期待されるわずか1cmの高低差にともなう一般相対論的な時間のずれの検出とか微細構造定数などの物理定数の経時変化の可能性のテストなどの基礎科学にとっても基本的である。



 本研究の成果に対して、仁科記念財団は、2013年、香取 秀俊(東京大学)に仁科記念賞を贈った。

文献

1) Katori H, Takamoto M, Pal'chikov VG, Ovsiannikov VD, “Ultrastable optical
clock with neutral atoms in an engineered light shift trap”, Phys. Rev. Lett. 91(2003) 173005.
2) Katori H, “Optical lattice clocks and quantum metrology”, Nature Photonics 5 (2011) 203.
3) Blatt S, Ludlow AD, Campbell GK, Thomsen JW, Zelevinsky T, Boyd MM, Ye, J, Baillard X, Fouché M, Le Targat R, Brusch A, Lemonde P, Takamoto M, Hong FL, Katoi H, Flambaum VV,“New Limits on Coupling of Fundamental Constants to Gravity Using 87Sr Optical Lattice Clocks”, Phys. Rev. Lett. 100(2008) 140801.
4) Yamaguchi A, Fujieda M, Kumagai M, Hachisu H, Nagano S, Li Y, Ido T,Takano T, Takamot M, Katori H,“Direct Comparison of Distant Optical Lattice Clocks at the 10-16 Uncertainty”, Applied Physics Express 4 (2011) 082203.

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光格子時計発明、ストロンチウム原子、魔法波長、光定在波、SI単位、セシウム原子、時間標準研究
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