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トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類理論

  • 写真なし笠 真生
  • 写真なし古崎 昭
トポロジカル絶縁体・超伝導体の周期表

表1 トポロジカル絶縁体・超伝導体の周期表

 トポロジーは連続変形に対して不変な性質を扱う幾何学の概念であるが、近年、物性物理学にもこの概念が広く浸透してきた。特に、系の波動関数のトポロジカルな性質を反映した「トポロジカル絶縁体」と「トポロジカル超伝導体」は、現在最も注目されている物性物理学の中心課題の一つである。多くの研究で個々の物質の性質は次第に明らかにされてきたが、その全貌は明らかではなかった。この問題に取り組むため、笠氏と古崎氏は場の理論に基づく電子局在理論[1]の側面から考察を進め、A.P. Schnyder氏とA.W.W. Ludwig氏との共同研究において、トポロジカル絶縁体・超伝導体を分類する一般論を初めて構築した。これにより多様なトポロジカル物質を統一的に理解する枠組みを与えた[2,3]。すなわち、系のもつ対称性(時間反転対称性、粒子・正孔対称性、カイラル対称性)と次元性によりトポロジカル絶縁体・超伝導体を分類する「トポロジカル周期表」を完成した[2,3]。その結果、絶縁体や超伝導体がトポロジーの観点から10種類の対称性クラスに分類でき、そのうち5種類の対称性クラスにおいてトポロジカル絶縁体・超伝導体が存在し得ることを明らかにした。特に、3次元のトポロジカル超伝導体(超流動体)の存在を初めて予言し、その応用として、3HeのB相が3次元トポロジカル超流動体であることを指摘した。笠氏と古崎氏等による「トポロジカル周期表」は、トポロジカル新物質の探索や解明の道標として重要な役割を果たしており、今後のこの分野の発展の基礎を与える非常に大きな成果である。



 本研究の成果に対して、仁科記念財団は、2015年、笠 真生(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)、古崎 昭(理化学研究所)に仁科記念賞を贈った。

文献

[1] “Z2 topological term, the global anomaly, and the two-dimensional symplectic symmetry class of Anderson localization”. S. Ryu, C. Mudry, H. Obuse, and A. Furusaki, Phys. Rev. Lett. 99, 116601 (2007).
[2] “Classification of topological insulators and superconductors in three spatial dimensions”, A.P. Schnyder, S. Ryu, A. Furusaki, and A. W. W. Ludwig, Phys. Rev. B78, 195125 (2008).
[3] “Topological insulators and superconductors: tenfold way and dimensional hierarchy”, S. Ryu, A. P. Schnyder, A. Furusaki, and A. W. W. Ludwig, New J. Phys. 12, 065010 (2010).

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トポロジカル絶縁体、トポロジカル超伝導体、トポロジカル物質、トポロジカル周期表、3次元トポロジカル超流動体、新物質の探索
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