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宇宙線シングルイベント現象に対するパワーデバイスの高信頼化への貢献

 宇宙線中性子は透過性の高い放射線であり、遮蔽する事によってパワーデバイスの偶発故障率を防ぐ事は極めて困難である。論文では、素子のドリフト厚さを厚くする事によって、シングルイベント破壊に対する閾値電圧を向上出来る事を明らかにすると共に、実験によって実証している。また、致命的なデバイス故障をデバイス設計で回避出来る事を実証しており、非常に有用性がある。宇宙線中性子に対する高信頼デバイス設計指針を実証した点で、価値が高い研究である。

 さらに、裏面側 n- / n+ 界面のインパクトイオン化がシングルイベント破壊のトリガとなるメカニズムをシミュレーションと理論解析によって明らかにしている。また、素子内部の微小なシングルイベント破壊痕の観察に初めて成功し、シミュレーションと熱伝導方程式を用いた理論解析によってシングルイベント破壊痕サイズを説明し、破壊メカニズムの裏付けを行っている。

 以上のように、シングルイベント破壊に対するトリガーメカニズムの提案及びシングルイベント破壊耐量向上指針を示すと共に、その理論的な考察を白色中性子照射試験によって実証した。

 本研究の成果に対して、電気学会は、2015年、庄司 智幸 (豊田中央研究所)、西田 秀一 (トヨタ自動車)、只野 博 (筑波大学)に電気学術振興賞 進歩賞を贈った。

文献

[1] T. Shoji, S. Nishida, T.Ohnishi, T. Fujikawa, N. Nose, K. Hamada, and M. Ishiko, 「Reliability Design for Neutron Induced Single-Event Burnout of IGBT」, IEEJ Transactions on Industry Applications, Vol.131, No.8, pp.992-999, 2011.
[2] T. Shoji, S. Nishida, K. Hamada, and H. Tadano, 「Cosmic Ray Induced Single-Event Burnout in Power Devices」, 12th INTERNATIONAL SEMINAR ON POWER SEMICONDUCTORS (ISPS), 2014.
[3] T. Shoji, S. Nishida, K. Hamada, and H. Tadano, 「Observation and Analysis of Neutron-Induced Single-Event Burnout in Silicon Power Diodes」, IEEE Transactions on Power Electronics, Vol.30, No.5, pp.2474-2480, 2015.
[4] T. Shoji, S. Nishida, K. Hamada, and H. Tadano, 「Experimental and simulation studies of neutron- induced single-event burnout in SiC power diodes」, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 53.4S, p. 04EP03, 2014.
[5] T. Shoji, S. Nishida, and K. Hamada, 「Triggering Mechanism for Neutron Induced Single Event Burnout in Power Devices」, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 52.4S, p.04CP06, 2013.

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キーワード

宇宙線中性子、シングルイベント破壊、破壊メカニズム
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