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電算新本社ビル オフィスアンビエント照明

オフィス内観

写真1 オフィス内観

アンビエント照明 ディテール

写真2 アンビエント照明 ディテール

天井断面構成

図1 天井断面構成

[解決すべき課題]
オフィスのような広い空間全体を明るく照明すると、大きな電力を消費する。そこで全体を一律に明るくするのではなく、仕事をする手元は十分明るくして、周りはある程度明るさを抑え、しかし暗すぎる感じにならないよう工夫する。これは、仕事をする上での快適感と照明の省エネルギーの両立を図ることで、オフィス照明の解決すべき継続的な課題である。今回、タスク・アンビエント照明方式におけるアンビエント照明について、むやみな省エネルギー性を追及するだけでは、快適性を損なう恐れがあるので、その点の解決を試みた。

[課題を解決するための手段と結果]
アンビエント照明による快適な明るさと省エネルギーとの両立を図るために、オフィス空間における照明のデザインの在り方を追求し、次のような結果を得た。
・目に入る光の量を増やすことで明るさ感を向上できると考え、導光板を使用した面発光照明を鉛直面に配置する計画とし、面発光の効率を高めた。
・設計時には輝度シミュレーションを行い、明るさ画像を専用ソフトREALAPSにより作成し、その結果を用いて面発光輝度を決定、器具の仕様を確定した。
・器具を実現するためにモックアップを製作し、モアレ縞や配光の確認を行い、耐震実験を行った。また、板状照明のきれいなラインを出すため、器具構造や施工の工夫を行った。

[効果]
◆導光板の素材感を活かす
・透け感がありながら光る素材は、空間に溶け込み、光が重なりあうことで位置により表情を変え、従来のほぼ均一な照度のオフィス照明とは一線を画する。
・多くの照明器具は消灯した際暗がりをつくるため、オフィスにおいて人の居ないエリアを消灯するとどうしても陰鬱な雰囲気になりがちである。器具そのものに透明感を持たせることで、消灯時も点灯している光が見え、オフィスの深夜作業でも陰鬱な雰囲気をつくらない。

◆面発光効率
・導光板技術とLEDの鋭いビーム特性を考慮することで、入光の8割を両面発光に利用可能とした。

◆明るさ感を軸にした昼光とのバランス制御
・明るさ感の視点から、室内の光環境をコントロールするためのシステムを構築し、ブラインド面輝度と導光板の発光面輝度とのより良いバランス感を得ている。
・全般照明による旧本社と今回の新本社ビルの明るさ画像を比較すると、新本社ビルの方が光源との輝度対比が少なく、天井面が明るく全体として適度な明るさ感が得られている。

◆光環境と熱環境との両立
・光源を天井裏に配し、室内には光のみを与えることで、室内の熱負荷を減らし、光環境だけでなく熱環境的にも有利な器具構成としている。

[応用]
鉛直面の少ない最近のオフィスにおける明るさ感維持の手法として有効と考える。
蛍光灯の置き換えにとどまらないLEDを用いた計画の一案として、展開の可能性がある。



 本研究の成果に対して、照明学会は、2014年、中尾理沙、小高孝司、阪口勝啓、會澤達也、本間睦朗、中村芳樹に一般社団法人照明学会 照明デザイン賞(最優秀賞)を贈った。

文献

[1]〔1章 デザイン革新の萌芽〕 解析で変わるオフィス空間 - 天井、窓まわり、外装─まずは「部分」から突破口を開く、日経アーキテクチュア、11月号 pp.38-45, 2013
[2]一般社団法人 照明学会、株式会社電算新本社ビルにおけるアンビエント照明、照明学会誌、Vol.98, No.8B,表紙およびp.381、2014

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2012年~2013年
モックアップおよび耐震試験等を経て器具開発、竣工

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キーワード

光環境、アンビエント照明、明るさ感、導光板、スクリーンライト、、鉛直面発光照明
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