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パーム・ヤシ脂肪酸エステル変圧器の開発

 近年、地球環境の悪化は我々の生活をも脅かす域に達している。我々が使用する製品の多くは化石資源を使用することでCO2 が排出され、地球環境の悪化を招いている。変圧器には化石資源である鉱油系絶縁油が100 年以上に渡って使われ続け、今では年間推定約100 万kL に達し、今後は化石資源を出来るだけ抑制した製品作りが望まれる。そこで、ライオン㈱と共同で世界で初めて植物由来のパーム・ヤシを使ったパーム・ヤシ脂肪酸エステル絶縁油の開発と、鉱油の代替絶縁油として変圧器への適用技術開発に成功し、2009 年6 月に新聞発表と共に製品化した。

 パーム・ヤシ脂肪酸エステル変圧器は、鉱油変圧器に比べ環境性能に優れ、且つ電気的および化学的特性に優れている。また従来の植物油(菜種、大豆など)変圧器の欠点である化学的不安定性及び冷却特性を克服し、環境対応と高性能化を両立した変圧器である。

 鉄道各社(京王電鉄㈱、東武鉄道㈱、京成電鉄㈱)や民需への適用を開始および採用が決定され今後広まりつつある。また次世代の鉱油代替の環境対応形変圧器として工業高校の教科書(実教出版H26 年出版)への掲載も予定されている。

 本研究の成果に対して、電気学会は、2012年、小出 英延  (㈱日本AE パワーシステムズ・変圧器事業部)、狩野 孝明  (ライオン㈱・研究開発本部・化学品研究所)に電気学術振興賞 進歩賞を贈った。

文献

[1] 小出英延、彦坂知行、臼井昇 他、「パームヤシ脂肪酸エステル変圧器の開発と製品化」、電気学会全国大会シンポジウム、(平成23 年3 月).
[2] 彦坂知行、小出英延、狩野孝明 他、「Development of a New Environment-conscious Transformer Impregnated with Palm Fatty Acid Ester(PFAE)」、電気学会論文誌B Vol 129、(平成21 年11 月).
[3] 鈴木貴志、狩野孝明、小出英延 他、「パームヤシ脂肪酸エステルの変圧器適用検討」、石油学会・絶縁油分科会、 (平成20 年6 月).
[4] 大澤直樹、小出英延他、「パームヤシ脂肪酸エステル絶縁油を燃料として用いた時のディーゼル排気ガス中の NOx」、電気学会D 部門大会、 (平成23 年9 月).
[5] 富士電機、日本AE パワーシステムズ、ライオン、「変圧器 絶縁油、植物由来に(廃棄時 CO2 65%抑制)」、日経産業新聞、2011.7.29.

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変圧器、絶縁油、パーム・ヤシ脂肪酸エステル
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