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LED防犯灯「明光色(アカルミナ)」の開発

本開発品の概観

図1 本開発品の概観

本開発品を設備した屋外景観

図2 本開発品を設備した屋外景観

[従来技術]
 一般的なLED防犯灯は、照らしたいエリア(歩道の路面)に効率的に光を照射することができるため、従来の蛍光ランプを用いた防犯灯と比較して省エネルギーを実現している。しかしLEDは指向性が強く、照射エリア(路面)以外へほとんど光が届いていなかったり、人の目に入ったときに強い眩しさを与えることで視認性が低下し、かえって安全性が損なわれるなどマイナス面もあった。

[解決すべき課題]
 防犯灯が設置されるような屋外の暗い空間における高い明るさ感の確保と照度分布・グレアの推奨値実現との両立。

[課題を解決するための手段と結果]
 以下の技術開発により製品の実用化に至った。
①プルキンエ現象の応用
 「薄明視」とは、「物の色と形がいくらか分かる明るさでの視覚」のことで、「プルキンエ現象」とは、「薄明視の環境では、人の目は光への感度が高まり、その感度ピークは短波長方向へシフトする」というものである。これは、明るい場所と暗い場所では目の働く細胞が異なるために生じる現象である。夜間屋外の暗い空間では人の目の感度は507nmの波長にピークがあることから、今回、この波長に近い成分を多く含む色をシミュレーションにより無数に作成し、その中から、発光効率や演色性等から数パターンの光色を抽出した。
 さらに、抽出した波長の光を実現するLEDを実際に作成して、防犯灯として適しているかを目視により判断していくことで、LEDの波長を特定した。その結果から、従来の蛍光ランプ20形と比べて、電力約62%削減、照度(照度計で計測した値)は同じであっても、人の目が認識する明るさは約40%アップするLEDの光を特定した。その光は色温度8000Kであり、しかも防犯灯として違和感のない光色であることが確認できた(図2参照)。
②照度とグレアの推奨値を満たす配光設計
 2011年4月に日本防犯設備協会において、歩道中心だけでなく歩道端から50cmの位置で1.5m高さの鉛直面照度0.5[lx]の明るさを確保するという推奨照度が定められた。明光色(アカルミナ)防犯灯は、指向性の強いLEDの光を3次元構造のレンズで制御することにより、非常に高い水準でこの推奨値を満たしている。
 また、指向性の強いLEDによるグレアで視認性が低下することに対しては、照明学会の「歩行者のための屋外公共照明基準」における「グレア制限」にその推奨値が示されている。LED防犯灯明光色(アカルミナ)は、上述した3次元レンズと拡散グローブを併用することにより、歩行者の視線方向である鉛直角85°方向の輝度を20,000cd/m2以下に制御し、推奨値を満足している。

[効果]
 本開発品は、従来の蛍光ランプや水銀灯を用いた防犯灯の約50~80%の電力削減を実現した。また、長寿命光源であるLEDにしたことで、従来光源である蛍光灯や水銀灯のランプ交換に対して、廃棄物の抑制が図られた。今回のLED光源の寿命は60,000時間であり、年間4,000時間点灯したとして、約15年取り替えが不要と考えられる。従来光源であれば、4~5回のランプ交換が必要であった。器具の質量も従来品の約1.5kgから、0.92kgへ、60%軽量化した。

[応用]
 本開発品の技術は、夜間の屋外照明環境において広く活用することができる。また、非常用照明など屋内照明環境においても応用できる。





 本研究の成果に対して、照明学会は、2013年、斎藤 考(パナソニック株式会社)、竹井尚子(同左)、森島俊之(同左)、高嶋 彰(同左)、明石行生(福井大学)に照明技術開発賞を贈った。

文献

[1]白倉公隆、明石行生、斎藤 考、「街路照明の分光特性が空間の明るさに及ぼす影響」、照明学会誌、Vol.96,No.5,pp.259-271,2012
[2]Takashi SAITO, Yukio AKASHI 「Field Experiments of Street Lighting Using High S/P Ratio Leds」 CIEx038:Proceedings of CIE Centenary Conference,pp.966-970,2013

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