1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号2005)

EMC測定評価技術の開発と国際標準化への貢献

機器から放射される不要電磁波(妨害波)の測定

図1 機器から放射される不要電磁波(妨害波)の測定

測定用アンテナの校正

図2 測定用アンテナの校正

アンテナ校正の回路網表現

図3 アンテナ校正の回路網表現

電気電子機器等から空間に放射される不要な電磁波が通信放送の受信を妨げ、線路を伝導する不要な高周波電圧・電流が他の機器の誤作動を生じることはよく知られている。特に、CPU内蔵機器や小形無線機器が我々の身の回りにはん濫する昨今、不要電磁波(妨害波)による様々な障害が顕在化している。
機器・システム間の電磁適合性(EMC : Electromagnetic Compatibility)に関する学術的研究は、1977年に本会に環境電磁工学研究専門委員会(EMCJ)が設置され、それを契機として我が国で広範囲に行われてきた。一方、産業界では、電気を利用するすべての機器・装置がEMC基準を満たす必要があるため、国際無線障害特別委員会(CISPR)が定める妨害波測定法や許容値に関心が集まっている。
杉浦は、我が国の産業界がCISPR規格に関心を持ち始めた1970年ごろから、多様なEMC分野の研究に従事し、これまで我が国のEMC分野の研究開発を先導してきた。特に、放射妨害波の測定に使用する測定器、アンテナ、測定場などの特性を学術的に研究し、これらの測定装置類の仕様を検討した。その成果の多くはCISPR規格に採用されて、現在、世界中で広く利用されている。また、測定器やアンテナの校正法に関する研究も行っており、その成果が認められて、現在CISPRにおいてアンテナ校正法に関する国際規格策定の作業班主任を務めている。また、機器の誤作動の原因となる伝導妨害波については、その発生・伝搬メカニズムや、障害波低減用フェライトコア等の妨害波対策部品の特性を研究し、その研究成果に基づいて妨害波電流の測定法や対策部品の特性評価法を開発した。このように、一連の先駆的研究は、EMC分野の研究に新たな局面を切り開き、国内基準や国際規格として世界中で利用されており、学術・産業の両面に寄与するところが極めて大きい。


 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、2010年、杉浦行に業績賞を贈った。

文献

妨害波測定装置
[1] A. Sugiura, T. Oguchi, K. Nagatomo, "Recurrent pulse response of radio interference measuring apparatus employing an average detector," 1984 Int. Symp. on EMC, vol.1, pp.411-416, 1984.
[2] 杉浦, 小口, 長友: "包絡線-準尖頭値検波方式妨害波測定器の応答," 信学論文誌, vol. J68-B, 2, pp.274-281, 1985.

放射妨害波の測定場
[3] A. Sugiura, "Formulation of normalized site attenuation," IEEE Trans. on EMC, vol. EMC-32, 4, pp.257-263, 1990.
[4] A. Sugiura, Y. Shimizu, Y. Yamanaka, "Site attenuation for various ground conditions," Trans. IEICE, vol. E73, 9, pp.1517-1524, 1990.
5] A. Sugiura, T. Shinozuka, A. Nishikata, "Correction factors for the normalized site attenuation," IEEE Trans. on EMC, vol. EMC-34, 4, pp.461-470, 1992.

アンテナ校正
[6] A. Sugiura, T. Morikawa, T. Tejima, H. Masuzawa, "EMI dipole antenna factors," IEICE Trans. Commun., vol. E78-B, 2, pp. 134-139, 1995.
[7] K. Fujii, A. Sugiura, "Average of the Height-Dependent Antenna Factor (invited)," IEICE Trans. on Commun., vol. E88-B, pp. 3108-3114, 2005.
[8] K. Fujii, S. Harada, A. Sugiura, Y. Matsumoto, and Y. Yamanaka, "An Estimation Method for the Free-Space Antenna Factor of VHF EMI Antennas," IEEE Trans. on EMC., vol. 47, no. 3, pp. 627-634, 2005.

伝導妨害波の特性
[9] A. Sugiura and Y. Kami, “Generation and Propagation of Common-Mode Currents in a Balanced Two-Conductor Line,” IEEE Trans EMC., vol. 54, No. 2, pp. 466-473, Apr. 2012

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(電子情報通信の基礎・境界技術)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2010
東北新幹線が全線開業する。
2010
上海万博が開催される。

Webページ

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

EMC、妨害波測定法、CISPR規格
Page Top