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液晶テレビのLEDバックライト制御技術の開発

 フルハイビジョンの高精細な映像を楽しむことができる液品テレビは、その普及が広がるにつれ、高画質化への要求が一層高まっている。しかし、従来の液晶テレビにはプラズマディスプレイなどの自発光型ディスプレイに比べコントラストが低いという課題があった。この課題を解決するために、発光ダイオード(LED) を光源とするバックライトの明るさを、映像に応じて画面の領域毎に制御し、同時に映像の補正を行う方式を開発した。更に、領域毎の明るさのダイナミックレンジを広げるために、LEDバックライトの分割数やピーク輝度といつた光学特性を明確にすると共に、入力映像に基づきLEDバックライトのピーク輝度を制御するアルゴリズムを開発することによって、液晶テレビで輝きと深い黒の質感を両立することに成功した。これらにより、従来の2.5倍となる1,250cd/m2のピーク輝度と500万:1という高ダイナミックレンジを備えた液晶テレビを実現した。2009年12月における世界初の本開発LEDバックライト搭載液晶テレビ「CELLレグザ」の発売を皮切りに、本技術は高画質液晶テレビの普及に大きく貢献している。

 従来は、LEDバックライトの性能によらず、バックライト輝度を映像の大まかな情報のみ(平均値など)で決定していたため、コントラストの改善は不十分で、白浮きや黒つぶれなども生じていた。開発者らは、LEDバックライトの分割数やピーク輝度などの光学特性と画質の関係を明らかにし、高精度な輝度制御を行なうLEDバックライトの重要な仕様を世界に先駆けて明確にすると共に、入力映像全体の情報(領域毎に異なる明るさ分布など)も用いたLEDバックライト輝度制御手法を開発した。これにより、チラツキや輝度ムラを抑制しつつ、コントラストを大幅に改善できた。更に、開発者らは、視覚特性と消費電力の観点から、表示画像全体が明るいシーンではバックライトのピーク輝度を落とし眩しさを抑えながら消費電力を削減、明暗差の大きいシーンではピーク輝度を上げて輝き感を表現できる高ピーク輝度制御技術を新規に開発し、他社が暗部の黒浮き改善のみを目指すなか、ピーク輝度向上による輝きと深い黒の両方を実現した。これらにより、高ダイナミックレンジを備えた液晶テレビの開発に世界で初めて成功した。

 本研究の成果に対して、電気学会は、2011年、伊藤 剛 (株式会社 東芝)、馬場 雅裕 (株式会社 東芝)、野中 亮助 (株式会社 東芝)に電気学術振興賞 進歩賞を贈った。

文献

[1] R. Nonaka, M. Bana, and G. Itoh, 「Development of a WDR-LCD Prototype Based on a Subjective Assessment of Hardware Parameters and Picture Qualities」, 28th International Display Research Conference, pp.200-203, 2008.
[2] 馬場雅裕、野中亮助、伊藤剛、新尾健次、「Novel Algorithm for LCD Backlight Dimming by Simultaneous Optimization of Backlight Luminance and Gamma Conversion Function」、International Display Workshops (IDW)'08、2008年12月.
[3] 馬場雅裕、尾林稔夫、土屋竜二、「液晶テレビに引き締まった黒と輝く白を再現する”メガLEDパネル」、東芝レビュー、2010年4月.
[4] 馬場雅裕、「液晶テレビのLEDバックフイト制御技術」、平成22年度照明学会全国大会シンポジウム、2010年9月.
[5] 馬場雅裕、野中亮助、佐野雄磨、「画像処理装置及び画像表示装置」、特開2010-152174、2008年12月.

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