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香りセンサと香り計測装置および電子調香師の開発

 人間は視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚という五感情報を巧みに駆使して知的活動を行っている。生命が誕生した当時、感覚として最初に存在したのは嗅覚と味覚であり、その後、聴覚・視覚・触覚が形成されたように、嗅覚は生命維持に欠かせない五感の1つである。

 視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感情報の中で、視覚(静止画・動画)および聴覚(音声・音響)の情報処理技術の研究は活発に行われ、体系化がされているが、残りの三感である触覚・嗅覚・味覚に対する情報処理の研究はまだ完成の域に達していない。しかし、2004年にリチャード・アクセル教授とリンダ・バック博士はにおい分子を感知する嗅覚受容体の発見でノーベル医学・生理学賞を受賞し、それ以降、におい情報処理の研究に対する関心が高まり始めている。

 開発者らは、五感情報処理技術の確立を目指し、そのために必要となる「におい」情報処理を推進する研究グループを形成し、この研究を長年行ってきている。とくに、微妙なにおいの解析に調香師の存在が必要であるように、 においの中でもその識別が困難な「香り」の研究に焦点を当てた研究を行ってきた。まず、金属酸化物p型半導体ガスセンサおよび水晶振動子表面にゾルゲル法によるにおい膜を貼った高感度かつ小型の香りセンサの開発に成功した。

 さらに、香りセンサを多数アレイ状に配置した香りセンサを用い、また、モレキュラーシーブに吸着させたにおい分子を順次取り出す方法を用いた高感度におい計測装置を開発し、ニユーラルネットワークや知的信号処理を駆使して、香りの識別、分解、合成ならびに通信を可能にする香り情報処理技術の確立と香り調香師を工学的に模擬した電子調香師の開発に成功した。

 以上のように開発者らの研究グループが行った香りの情報処理方式は、香りの科学への新たな展開を可能とする画期的な技術の開発である。


 本研究の成果に対して、電気学会は、2011年、喜多純一 (株式会社 島津製作所)、矢野満明 (大阪工業大学)、大松繁 (大阪工業大学)に電気学術振興賞 進歩賞を贈った。

文献

[1] J. Kita ,「Quantification of the MOS Sensor Based Electronic Nose utilizing Trap Tube」, Science Links Japan, 2000年5月.
[2] M.Yano, et.al. , 「Characteristics of Polycrystalline Zn0-Based Electrolyte-Solution-Gate FETs on Glass Substrates」, Applied Physics Express, 2009年11月.
[3] 大松繁、吉岡理文、藤中透 、「Intelligent Electronic Nose Systems with Metal Oxide Gas Gensors for Fire Detection、International」、 J. on Adv. Int. Sys., 2009年1月.
[4] 中本高道、大松繁、喜多純一 、「嗅覚ディスプレイ:におい・香りのマルチメディアツール」、フレグランスジャーナル社、2008年10月.
[5] C パンチャ、吉岡理文、大松繁 、 「Detecting Household Burning Smell Using Neuro-Electronic Nose System」、電気学会論文誌、2004年2月.

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