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広帯域スケーラブル音声符号化技術の開発およびITU-T国際標準化への貢献

 従来の電話網から、光ファイバ・ADSL等のブロードバンド回線上でのIPパケットによる電話サービスが急速に普及する中、Next Generation Network(NGN)に代表される次世代のサービスに対して、より高音質・高品質な音声通信サービスの要望が顕在化してきている。
 本研究は、プロードバンドIPネットワーク上での音声通信に対する音声符号化のあり方について検討し、従来の音声符号化研究に見られるような圧縮率優先方式ではなく、①次世代のサービス向けに必要とされる高音質、②既にIP電話で利用されている電話音声符号化方式G.711との相互接続性、③電話としての通話品質を担保するための低遅延等を満足できる方式の検討を進め、G.711をコアコーデックとする広帯域スケーラブル音声符号化の基本技術を開発した。更に、本技術を基本とする符号化方式の国際的な普及促進を目的に、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)において、G.711.1として国際標準化を達成した。本標準は現在のITU-Tの広帯域音声符号化標準の中で最も優れた品質を有しており、NGNなどのIPネットワークでの高音質電話サービスの普及に大きく貢献した。
 広帯域スケーラブル音声符号化技術は、もっとも普及している電話音声符号化方式G.711に、電話帯域の品質を向上するための低域拡張レイヤと音声帯域拡大のための広域拡張レイヤを階層的に追加し、広帯域(50Hz~7kHz)での音声通話を可能にする技術であり、この構成により、既存のG.711との相互通信を実現した。また多地点通話に必要な音声ミクシングを従来のG.711との同等の処理量で実現する部分選択ミクシング方式の考案に大きく貢献した。
 G.711.1の標準化では、本技術をベースとして、各国機関から提案のあった方式を有機的に統合し、共同提案とした。
 本技術では、国際標準にふさわしい低演算量・高品質な符号化方式を開発し、特にフレーム長を5msとして低遅延を実現するとともに、処理能力の低いプロセッサにも実装可能な低演算量・低メモリ化した。また、パケット消失補償に関する方式や簡易な部分選択ミクシングアルゴリズムの考案など、これまでの圧縮率優先の方式にない新たな機能を有する符号化技術を確立した


 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、2009年、日和﨑祐介、佐々木茂明、大室仲に業績賞を贈った。

文献

[1] Y. Hiwasaki and H. Ohmuro: "ITU-T G.711.1: Extending G.711 to Higher-Quality Widband Speech," IEEE Communications Magazine, Vol.47, No.10, pp.110-116, 2009.
[2] Recommendation ITU-T G.711.1: "Wideband Embedded Extension for G.711 Pulse Code Modulation," Mar. 2008.

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キーワード

音声符号化、国際標準化、G.711
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