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杭圧入引抜きシステム装置の開発

システム構成

図1 システム構成

圧入機の自走機構

図2 圧入機の自走機構

1.概要

 現下の建設業界においては,高レベルでの環境保護性,安全確実性,急速性,経済性,さらに芸術性のすべてを満足させることが望まれている.かかる要求下で本杭圧入引抜システム装置は,すでに打ち込んだ杭の引抜抵抗力を反力として使って,杭上で連続的に杭打ち(引抜)全作業を行う世界初唯一のシステムである.しかもそれらのシステム装置は現状の建設工事の最大ネックの一つであるばく大な仮設工事を一切必要とせず,上記高レベルの原則をすべて満足させる新工法を可能にしたものであり,今後の建設業界における機械開発の一つの方向性を示している.

2.技術の内容

 (1)作業のシステム化:本システムは図1に示すように,圧入(引抜)用サイレントパイラー,パワーユニット(エンジン,油圧)搭載のユニットランナー,杭吊込み,差込み用クランプクレーン,杭搬送用パイルランナーから構成され,すべてが杭上で自走できる.特にパイラーとクランプクレーンとが図2に示すような独創的自走機構を取り入れている.また全作業のオペレーションをリモート化し,木目の細かい操作が要求されるクレーン操作,パイラーへの差込み,圧入(引抜)時のスムーズさ等,必要なら至近距離から目視の上,杭と土との微かな擦れる音を聞き分けながらもできる,

 (2)低公害化とコンパクト化:業界トップの超高圧化
(69MPa)による静的高油圧下で圧入されるので,杭打機特有の打撃音,振動はなく,暗騒音,暗振動レベルになる.さらに特殊鋳鋼と鍛造とのハイブリッド化も取り入れ構造の小形化・軽量化を図った結果,従来課題であった狭隘地,低空頭地,極小地への対応も可能となった.文字通り人家の軒下まで入り込めるようになったのは,低振動・低騒音化,さらに不転倒の高い安全確実性が総合的に加味されてのことである.

3.まとめ

 1975年,全く新しい発想で静的油圧式杭圧入装置を開発してから,自走化,ラジコン化,システム化とすべてを自社技術で仕上げてきた.その結果,従来できなかった例えば狭隘地,低空頭地,水辺離陸地といった工事も高レベルでの環境保護性,安全確実性,急速性,経済性,芸術性を実現している.今後もこの特長を生かして,広く地下開発への応用展開を図り,それを通じて産業界に貢献してゆきたい.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2000年、北村精男((株)技研製作所)、飯塚武彦(同左)、南哲夫(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

文献

[1] 田内宏明、「サイレントパイラーと圧入工法」、油空圧技術、Vol.38, No.3 , pp.9-14, 1999.
[2] ロングセラー工法編「都市部の悪条件と闘う」、日経コンストラクション、pp.44-47, 2000.9.22.
[3] 北村精男、若生和夫、「低振動・低騒音パイラーによるシステム施工技術」、環境研究、No.123, pp.21-25, 2001.
[4] 木村育正、「特殊条件下での圧入工法」、建設機械、Vol.45, No.9, pp.13-17, 2009.

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キーワード

杭圧入引抜きシステム、圧入・引抜用サイレントパイラー、低振動、低騒音
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