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燃焼温度1450°C級ガスタービンを使用した複合発電設備

東新潟火力発電所の全景(左手前が4号系列複合発電設備)

図1 東新潟火力発電所の全景(左手前が4号系列複合発電設備)

1450℃級ガスタービン組立断面鳥瞰図

図2 1450°C級ガスタービン組立断面鳥瞰図

1.概要

 ガスタービン複合発電設備は,通常の火力発電設備に比べて効率が高いため,近年その需要がますます高まっている.また天然ガス焚きの複合発電設備はCO2排出量が少ないので地球温暖化問題の対策として極めて有効である.

 東北電力(株)東新潟火力発電所4号系列では,ガスタービン複合発電設備のさらなる高効率化をねらい,事業用発電所では世界初のガスタービン燃焼温度1450°Cを適用したM701G形ガスタービンを開発・実用化した.

 270MWガスタービン2台と265MW蒸気タービン1台からなる出力805MWの4-1号系列複合発電設備はプラント効率50.6%(HHV基準)を達成した.

2.技術の内容

 M701G形ガスタービンには,性能向上と信頼性向上のためガスタービン燃焼温度1500°Cにも対応できる最新技術を開発・実用化した.燃焼器は低NOx化,高効率化をねらった蒸気冷却式を開発・実用化した.タービンには1,2段動翼に一方向凝固新耐熱超合金,1,2段静翼にNi基新耐熱超合金を適用してクリープ強度を向上し,全面膜冷却とTBC(サーマルバリアコーティング)によってメタル温度を低減した.コンプレッサには最新の空力設計を適用して性能を向上した.

 東新潟火力発電所の全景を図1に,1450°C級ガスタービン(G形ガスタービン)の組立断面鳥瞰図を図2に示す.

 G形ガスタービンは十分な運転実績と高い信頼性を持つF形ガスタービン(1350°C級ガスタービン)を基に,各種の要素研究で培った高温化に対する最新技術を適用して開発したものである.これらの最新技術については十分な各種要素試験および検証試験を実施し,その性能・信頼性を確認した.G形ガスタービンはF形ガスタービンに比べて,大容量化・高圧力比化・要素効率の向上を図り,F形を大幅に上回るガスタービン単体効率38%以上(LHV基準),複合発電設備効率50%以上(HHV基準)を超える高効率を有する.

 1500°C級の温度でF形ガスタービン並みの低NOxを達成するためには燃焼用空気を増加する必要がある.従来の方式では必要な燃焼器用空気を確保できないことから,G形ガスタービンの燃焼器には冷却空気を必要としない世界初の回収形蒸気冷却方式を採用した.また,燃焼器を冷却する際に蒸気が得た熱量は蒸気タービンで回収され,複合発電設備の効率向上に貢献する.

3.まとめ

 東北電力(株)東新潟火力発電所4-1号系列は1999年7月に運開,50.6%のプラント効率(HHV基準)を達成して順調に運転中であり,燃焼温度1450°C,蒸気冷却式燃焼器を適用したG形ガスタービンを用いた複合発電設備の高性能,高信頼性が確認された.

 50%を超える熱効率の達成により,燃料節約による経済的な効果とともにCO2の発生量が大幅に削減でき,地球温暖化などの環境問題にも大きく貢献できると考えられる.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2000年、青木康芳(東北電力(株))、五十嵐喜良(同左)、遠藤幸雄(同左)、福江一郎(三菱重工業(株))、佃嘉章(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

複合発電、ガスタービン、天然ガス、超高温、新耐熱超合金、回収形蒸気冷却方式、高効率、膜冷却、サーマルバリアコーティング
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