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超高精度ワイヤ放電加工機の開発

超高精度ワイヤ放電加工機の構成と新技術

図1 超高精度ワイヤ放電加工機の構成と新技術

半導体リードフレーム打抜金型の加工結果

図2 半導体リードフレーム打抜金型の加工結果

1.概要

 開発した超高精度ワイヤ放電加工機は,この分野で最高の±2μmの加工精度を保証するものであり,超精密加工用の最上位機種に位置付けられる.長時間安定して高精度を維持し得る機械構造と,仕上げ面粗度0.5μmRmaxクラスを達成し得る放電加工電源を開発し,半導体リードフレームの打抜き金型において,従来不可能であった一体金型の製作を可能とした.

2.技術の内容

 開発した超高精度ワイヤ放電加工機の構成と新技術項目を図1に示し,各項目について以下にまとめる.

 ① 機械温度同調制御

 ワイヤを保持する上下アームに,機械本体ベッドの温度に同調制御した加工液を循環させた.上下アームの熱変位を等しくし,従来比1/3の加工面倒れ精度±0.5μmを達成した.

 ② 熱外乱絶縁フルキャビン構造

 鋳物の機械構造本体を板金外装カバーで覆い,気流,直射日光,周期的に変化する1日の室温変化を遮断するフルキャビン構造を開発して加工ピッチ精度1.6μmを達成した.

 ③ XY軸独立駆動機構

 X軸でワークを,Y軸でワイヤを各々独立に駆動し,従来のXYテーブルに比較して,真円精度を大幅に向上させた.

 ④ ハイゲイン・フルクローズド位置サーボ

 高剛性機械構造体により位置サーボの安定性を確保した.

 ⑤ アクティブ制御式ワイヤ搬送系

 加工中のワイヤをアクティブ制振する搬送系を適用した.

 ⑥ 高速無電解電源

 直流に代えて両極性の矩形波電圧を高周波で印加し,加工液中のイオンの移動を抑制し,電解変質層を抑制した.

 ⑦ 超仕上げ加工電源

 10MHz以上の高周波電流を用いて,持続アークを防止し,仕上げ面粗度0.5μmRmaxクラスの亜鏡面加工を実現した.

 ⑧ 高精度ギャップ制御

 ワイヤの軌跡移動速度の変化が大きいコーナ部等において,速度パターンを最適化し,ギャップ精度を向上させた.

 ⑨ 極細線ワイヤ自動供給装置

 走行経路のしゅう動抵抗を軽減し,ワイヤ回収部の搬送水流を適正化し,φ0.03mmの極細線ワイヤの搬送を実現した.

 本開発機によるリードフレーム金型の狭スリット加工結果を図2に示す.基準寸法15mmに対し加工精度は1.6μm以下である.このピッチ精度で一体金型の製作が可能となった.

3.まとめ

 本開発機は1997年8月から販売開始し,累計70台以上が稼働している.本技術によってワイヤ放電加工の適用範囲が広がり,今後,さらに微細化の進む精密金型,精密部品の生産性向上にいっそう貢献できると考えられる.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1999年、今城昭彦(三菱電機(株))、家澤雅宏(同左)、毛呂俊夫(同左)、田中誠(同左)、佐藤清侍(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

ワイヤ放電加工機、リードフレーム、一体金型、打抜き金型
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