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非対称非球面レンズの量産用研削加工装置の開発

非対称非球面レンズ研削加工装置の原理図

図1 非対称非球面レンズ研削加工装置の原理図

非対称非球面レンズの形状

図2 非対称非球面レンズの形状

1.概要

 本開発は,レーザプリンタ用光学系に使用する非球面ガラスレンズの量産加工装置に関する.この光学系の中の回転多面鏡偏向特性を考慮すると,レーザ走査用レンズには,走査直交方向の曲率半径がレンズ中央から両端に向け,左右個別に連続的に増大する形状が最適である.この形は回転対称性がなく,従来の研磨法や非球面加工法では量産は難しい.そこで二つの回転運動と一つの直線運動を組み合わせ,数値制御による研削加工法を考案し,初めて実用化した.

2.技術の内容

 図1は,開発した非対称非球面ガラスレンズ加工装置の構成を示す.周辺にガラス素材を6個配置したテーブルを,4rpmの一定速度で回転させておく.一方,エアスピンドル先端のダイヤモンド砥石を7500rpm以上で高速回転し,レンズ表面を帯状に研削加工する.そしてエアスピンドルをテーブル1回転ごとに回転と直交する方向(φ)に揺動させながら,研削を継続して行う.さらに,テーブルの回転位置信号に応じてコンピュータから読み出した形状加工データにより圧電アクチュエータを駆動し,テーブルが砥石の切込み方向(x)に往復移動するように動的制御をして,所定の非球面を形成する.

 本装置では,135×20mmの非球面加工ができ,粗研削と仕上研削を各1回行って鏡面加工が完了する.加工時間は6個のガラス非球面で約2時間である.

 図2に製作したレンズの例を示す.全長:133mm,主走査方向半径:182.3mmに対し,副走査方向半径は,中央部(60.0mm)から両端部の62.1mmおよび62.5mmの値まで,連続的に増大している.この形状は光学系仕様により変更できる.この非球面レンズを用いた走査光学系は,対称レンズ系の場合に比べ少数レンズ構成で,広画角化と高解像度化が容易に実現できる利点がある.

3.まとめ

 回転対称性を持たない非球面を短時間で加工できる研削加工装置を初めて開発した.この装置は日立工機(株)の量産施設として稼働中で,ここで製作した非球面ガラスレンズは当社のレーザプリンタに搭載され,内外の高速・高精細画像処理システム出力用として貢献している.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1998年、斉藤進(日立工機(株))、久貝健一(同左)、高橋紘二(同左)、森山茂夫((株)日立製作所)、有本昭(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

レーザプリンタ、非球面ガラスレンズ、エアスピンドル、ダイヤモンド砥石
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