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光ディスク用高精度原盤記録装置の開発

原盤露光装置概略

図1 原盤露光装置概略

スライダの構成

図2 スライダの構成

1.概要

 1996年11月に発売されたDVDは片面で4.7Gバイトの記憶容量(CDに比べ7倍以上)を持ち,130分余りの動画が再生できる.これを実現するために,DVDディスクではトラックピッチが0.74±0.03μm(CDでは1.6±0.1μm)に,最小ピット長は0.4μm(同0.83μm)に微細化されている.そこで,DVDディスク製造のキー技術である.これらの微細なピットを精密にガラス原盤に記録する原盤記録装置を開発した.

2.技術の内容

 2・1 装置の構成  装置の構成を図1に示す.記録用レーザ光は光変調器で種々の長さのパルスに変調され,スピンドルにより設計速度で回転する原盤上に対物レンズを通して集光される.対物レンズはスライダにより規定の速度で原盤上を移動するので,原盤上のレジスト層に種々の長さのピットが螺旋状に露光される.

 2・2 記録ビーム微小化技術  微小ピットの形成には記録ビームスポット径を小さくする必要がある.このために記録光として波長が351nm(CDでは458nm)のKrレーザを採用するとともに,開口数が0.9の対物レンズを使用した.これにより記録ビームスポット径が半値幅で0.21μmとなり,0.4μmのピット長の記録が可能となった.また,焦点検出系も従来の補助光源によるフォーカスサーボに替え,記録ビーム反射光を用いる方式の開発により,フォーカス誤差0.05μmを達成した.

 2・3 高精度位置決め技術  トラックピッチ誤差を±0.03μm以下にするには,記録ビームスポットの位置決めを行うスライダの送り誤差低減が重要である.そこで,図2に示すように,スライダの駆動にはバックラッシュなどの非線形性が小さい摩擦駆動機構を採用した.さらに,対物レンズの位置を補正するための微動機構をスライダ上に設け,スライダと対物レンズの位置をレーザ干渉計で測定・制御することにより,スライダの位置決め誤差や外乱による振動を微動機構で補償する方法を開発した.これにより,スライダの送り誤差を±0.01μm下に抑えることができた.

3.まとめ

 本装置はDVDの規格統一に貢献するとともに,現在,東芝EMI(株)御殿場工場に設置され,量産稼動している.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1996年、高須登((株)東芝)、内田憲男(同左)、菊入信孝(同左)、小川潔(同左)、平浩三(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

光ディスク装置、DVD、原盤記録装置、記録ビーム微小化技術、Krレーザ、高精度位置決め技術、摩擦駆動機構
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