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同一ボア,ストロークを有する4,5,6気筒ディーゼルエンジンシリーズの開発

新エンジンシリーズ主要諸元

表1 新エンジンシリーズ主要諸元

1.はじめに

 商用車用ディーゼルエンジンは,高い経済性と信頼性により,世界的に多用されている.しかし,昨今の大都市内の大気汚染悪化および,高速道路網の拡大から,エンジンには一層の低公害化と高出力,経済性の向上が求められている.

2.技術の概要

 本エンジンシリーズは,これらのニーズに応えると同時に効率的な開発,即ち部品の共通化と生産設備の共用化を行うため,同一ボア,ストロークを有する4,5,6気筒の全8機種により構成されている.その主要諸元を表1に示す.

 エンジンの基本構成は,排出ガス低減対策として,4弁,OHC構造を採用し,2つの吸気ポートでシリンダ内空気流動を最適化し,噴射ノズルと新燃焼室をシリンダのセンターに配置して噴霧および燃焼の均一化により,NOxとパティキュレートの低減を図った.また,世界初のコモンレール式燃料噴射装置を採用した低公害エンジンを大都市向けとしてシリーズに加え,東京都の指定低公害車の認定を取得している.さらに,4弁化によるポンピングロスの低減に加え,高性能斜流タービン,ローラロッカアームなどの採用により,高出力化および燃費の向上を図った.

 開発の効率面では,コンピュータデータベースを徹底的に活用して,同一ボア,ストロークである利点を生かし,通常1機種を開発するには約2年を要するが,今回全8機種を約3年で開発できた.その結果,約40~50%の開発費削減が可能となった.また,部品点数は従来機種に対して35%削減され,同時に1部品あたりの生産量が増えたので量産効果によるコスト低減も可能になった.

 また,設備面では気筒数に関わらず主要部品について同じ設備で段取り替えなしに,すべてのエンジンの加工,組立が可能となった.これにより設備投資で15~20%,組み立て工数で15~20%の低減ができた上に,段取り替えが少ないため安定した高品質の確保が容易になった.さらに今後の改良設計を行う場合,代表機種で行えば,全機種への展開が容易にできる利点もある.

3.まとめ

 本エンジンシリーズは,さらに厳しくなるディーゼルエンジンの低公害,高出力,低燃費,低コストに対し,同一ボア,ストローク化をもって実現し,今後の市場ニーズに対しても充分対応できるポテンシャルを持つエンジンである.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1997年、新倉孝昭(日野自動車工業(株))、山崎哲央(同左)、中野武彦(同左)、富澤憲次(同左)、伊原美樹(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

商用車、ディーゼルエンジン、シリーズ化、高出力化、燃費向上、開発効率、量産効果、設備投資、組立工数
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