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低NOx・低温燃焼ボイラの開発

低温燃焼ボイラの断面図

図1 低温燃焼ボイラの断面図

燃焼室空間がNOx排出量に及ぼす影響

図2 燃焼室空間がNOx排出量に及ぼす影響

空気比によるNOx排出量の比較

図3 空気比によるNOx排出量の比較

予混合器

図4 予混合器

コルゲートバーナの分割火炎

図5 コルゲートバーナの分割火炎

丸ボイラと従来の小形ボイラおよび,低温燃焼ボイラの多罐設置状況模式図(当社比)

図6 丸ボイラと従来の小形ボイラおよび,低温燃焼ボイラの多罐設置状況模式図(当社比)

1.概要

 世界的に環境問題への対応が重大視されている中で,大都市圏においてはNOx低減が急務とされ,特に固定発生源であるボイラからの排出量低減の要求は増すばかりである.従来NOxは燃焼室内のバーナ近傍の高温空間で発生すると考えられ,その低減化の対応は各種低NOxバーナ,排ガス再循環などに依存し,低減率はせいぜい50%程度が限界とされていた.本技術は気体燃料の特性を最大限に活かしたもので,予混合バーナに対面して水管群を配置し,火炎温度の低減と同時に高温雰囲気の滞留時間を短縮することで,サーマルNOx生成を抑止する低温燃焼技術を世界で初めて開発することに成功した.

 本技術を法規伝熱面積10m2以下の小形貫流ボイラ(SQシリーズ)に応用することによって,NOx濃度は従来比1/4以下,30ppm以下と低NOx化を達成,加えて燃焼室が無いことで設置面積も1/2以下と大幅なコンパクト化が可能となり,飛躍的に納入実績を延ばしている.

2.技術の内容

 2・1 ボイラの構造  今回開発したボイラの構造を図1に示す.特徴は,従来の燃焼室と呼ばれていた空間をなくし,水管群で矩形罐体を構成したこと.また,予混合バーナを水管群の側面に近接して配置することで,燃焼火炎温度を低く抑えながら始めの数列まで燃焼反応を継続させ(以下,低温燃焼と呼ぶ.),水管への最大熱負荷を抑えた構造となっている.

 2・2 燃焼室空間の削除による低NOx化  高温部の滞留時間を短くするために,従来の燃焼室空間を削減していった時の,NOx生成特性結果(図2)を基に,バーナ面とこれに対面した水管群の間隔(Ld)を0mとした.図3に従来のボイラと低温燃焼技術を応用したボイラSQ-2000のNOx値の比較を示す.

 2・3 予混合技術  ガスと燃焼用空気のミキシングの善し悪しは,火炎の安定性・COの生成・NOxの生成に大きく影響するため,図4に示すような接線流型混合とディフユーザ型混合部を開発した.

 2・4 高負荷予混合燃焼技術  火炎の逆火防止(クエンチング)機能と,バーナ面負荷14MW/m2を達成するために火炎の分割形成の機能を合わせ持つメタルタイプのコルゲートバーナを開発した.図5に分割火炎の様子を示す.燃焼負荷制御の移行時に生じる空燃比のズレを抑えるために,空気流量変化時の差圧でガス流量を制御する比例制御弁を採用した.

 2・5 ボイラのコンパクト化と密着設置  従来の燃焼室が無いため,罐体の容積は1/2以下ボイラの幅は60%以下となり,大幅なコンパクト化を実現した.また,ボイラを複数台設置する場合,ボイラ間を密接して設置する方式を採用しており,設置面積で従来の約50%の省スペースとなっている(図6).

3.まとめ

 燃焼室を無くした低温燃焼技術は,燃焼と対流伝熱を包括した全く新しい燃焼方式であり,気体燃料の特徴を最大限に活かしたガス焚きボイラの技術革新とも言えるものである.今後,ボイラの形式や容量に係わらず,幅広く技術展開できるものと考える.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1995年、三浦保(三浦工業(株))、妹尾泰利((株)三浦研究所)、渡辺茂広(三浦工業(株))、池田和弘(同左)、田井誠二(同左)に日本機械学会賞(技術賞)を贈った。

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キーワード

ボイラ、低温燃焼技術、NOx低減、燃焼室削減、コルゲートバーナ、高負荷予混合燃焼技術、コンパクト化
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