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ジェット流・旋回流を併用した節水形大便器の開発

従来便器構造図

図1 従来便器構造図

従来便器の給水特性例

図2 従来便器の給水特性例

従来便器の通水路

図3 従来便器の通水路

節水形大便器 通水路図・給水パターン

図4 節水形大便器 通水路図・給水パターン

節水形大便器作動図

図5 節水形大便器作動図

jet ejector effect

図6 jet ejector effect

節水形大便器排水特性

図7 節水形大便器排水特性

節水形大便器排出性能及び水量の比較

図8 節水形大便器排出性能及び水量の比較

1.はじめに

 洋風大便器に対する節水化要求は近年の水資源事情の悪化によりますます強くなってきている.この動きは全世界的な動きでもあり,特にアメリカでは1997年以降連邦法により6リットル(以下Lと表記)便器が義務づけられる予定である.このような全世界的な節水化ニーズに対し,洋風大便器の洗浄水量13L/回を50%削減可能とする洗浄方式を確立した.新方式は,ジェット流・旋回流を併用することにより,海外対応として6L(日本国内では法規制により8L)で大便器の洗浄が可能となり,大幅節水化に成功した.

2.大便器の機能と従来便器の洗浄方式

 従来便器(図1)は,便器上面のリム出水口とボール下部のジェット吐出口の2系統の分岐通水路を有している.洗浄は,①リム出水(旋回流)によるボール乾燥面の洗浄と封水に渦流を与え汚物排出を促進する(ボール洗浄・旋回)機能,②ジェット流によるトラップ内の(サイホン発生・汚物排出),③新しい水を補給する(封水補給)の3機能により行なわれる.図2は従来便器が必要とする瞬間給水量である.従来は100~200L/分という大流量を必要とし,また一回の使用水量は13L/回である.これは図3に示すように,リム/ジェット通水路が独立経路となっていないためリム・ジェット同時給水となり無駄な水を使用していたことによる.

3.節水形大便器の洗浄方式

 節水形大便器では従来給水路に切替え弁を配し,リム/ジェット通水路を完全独立給水としたことに大きな特徴がある.これに伴い給水を旋回流→ジェット流→リム旋回流のSTEP給水(図4)とした.給水主弁・切替え弁は,制御により流量調節・通水路変更を行なう.図5に各給水時の動作を示す.この2WAY独立給水によりSTEP1~3の動作は完全独立となり無駄水の大幅削減が可能となった.さらに,STEP2のサイホン発生ジェット流においてジェットエジェクター効果を応用している.図6に示すようにφ7Jet Nozzleへ供給された水はエジェクター効果により拡大され(例:18→100L/分)トラップ排水管へ供給される.この拡大作用により従来100~200L/分必要としていた作動水量が20L/分以下でサイホン発生が可能となった.

4.節水形大便器の性能

 図7に従来方式とジェット流・旋回流を併用した節水形大便器のサイホン特性(便器の瞬間排水量)を示す.節水形便器ではサイホンの立ち上がりが速く,また8L洗浄において従来の13L洗浄と同等の汚物排出性能を有することが図8よりわかる.

5.まとめ

 本技術による節水形大便器は従来便器の水使用量を50%削減し省水資源に大きく寄与すると共に,今後の国内外での便器節水化への動きを加速していくものと期待できる.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1994年、筒井修(東陶機器(株))、牧田厚雄(同左)、柴田信次(同左)、太田吉喜(同左)、入船佳津一(同左)に日本機械学会賞(技術賞)を贈った。

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キーワード

洋風大便器、洗浄方式、節水化、旋回流、ジェット流、ジェットエジェクター効果、通水路変更
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