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新世代希薄燃焼エンジンの開発

本希薄燃焼エンジンの原理

図1 本希薄燃焼エンジンの原理

システム構成

図2 システム構成

新設計ヘリカル吸気ポート

図3 新設計ヘリカル吸気ポート

燃焼圧センサ

図4 燃焼圧センサ

燃費改善効果

図5 燃費改善効果

希薄空燃比領域・全負荷性能の比較

図6 希薄空燃比領域・全負荷性能の比較

1.はじめに

 近年地球温暖化抑制のためのCO2の削減と省資源の観点から,従来にも増して燃費改善が自動車の大きな課題となっている.このような状況下,希薄燃焼エンジンが注目されている.従来の希薄燃焼エンジンは燃費改善効果は大きいものの排出ガス規制(NOx)の制約からその採用は軽量のマニュアル車に限られていた.本希薄燃焼エンジンでは,量産世界初の燃焼圧センサを用いて希薄燃焼限界近傍に空燃比をフィードバックする制御方法(図1)によってNOx排出量を低減し,さらに希薄燃焼性能に優れかつその運転領域の広い新設計のヘリカル吸気ポート等の新技術を組み合わせることによって,多くの車両(等価慣性重量1250kgまでの車やオートマチック車)に採用可能とし,大幅な燃費改善を図った.以下に概要を示す.

2.システム構成(図2

 4気筒,1.6lの4A-FE型エンジンをベースに以下技術を開発してシステムを構成している.

 2・1 新設計ヘリカル吸気ポート(図3) 優れた希薄燃焼特性と高い体積効率を両立させた4弁用ヘリカル吸気ポートで,希薄燃焼領域の拡大と全負荷性能を向上している.

 2・2 燃焼圧センサを用いた希薄燃焼限界フィードバック制御  燃焼圧センサを用い,エンジンのシリンダ内圧力を直接検出して希薄燃焼限界に空燃比をフィードバック制御する方法を開発した.この結果,従来の排気の酸素濃度を検出し目標空燃比に制御する方法にくらべ,より希薄な空燃比での運転が可能となり,NOx排出量を同一運転条件で30%低減している.

 2・3 燃焼圧センサ(図4) 燃焼圧力を検出するために,燃焼圧センサを開発した.センサの素子にシリコン結晶のピエゾ抵抗効果を利用し,信号増幅回路を内蔵した結果,コンパクトかつ耐熱性・耐ノイズ性・信頼性に優れた性能を確保している.

 2・4 電子制御排気ガス再循環(EGR)システム  オートマチック車では,電子制御EGRバルブを採用し,ヘリカル吸気ポートと組合わせることで,大量のEGRを可能とし,加速時などの理論空燃比域で大幅な燃費改善を可能としている.

3.燃費改善効果

 上記システムにより,NOxの排出量の低減を図り等価慣性質量1250kgまでの車やオートマチック車に希薄燃焼エンジンが適用でき,三元触媒方式の車両に比べ大幅な燃費改善(図5)を達成している.また新設計ヘリカル吸気ポートの採用により,希薄空燃比で運転可能な領域を大幅に拡大し,さらに全負荷性能の向上も図っている(図6).

 これは低燃費技術の一つの柱である希薄燃焼エンジンの汎用化を大きく進めたもので,今後の自動車の燃費改善に大きく貢献するものと思われる.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1993年、岡野博志(トヨタ自動車(株))、松下宗一(同左)、小杉正秀(同左)、杉谷伸芳(同左)、塚田厚志((株)豊田中央研究所)に日本機械学会賞(技術賞)を贈った。

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キーワード

自動車、燃費改善、エンジン、希薄燃焼、ヘリカル吸気ポート、燃焼圧センサ、希薄燃焼限界、空燃比制御、排気ガス再循環
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