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ボイラ用燃焼診断装置の開発

装置本体

図1 装置本体

装置の構成

図2 装置の構成

光プローブ

図3 光プローブ

光プローブ取付状況

図4 光プローブ取付状況

CRT表示例(250MW微粉炭焚きボイラの場合)

図5 CRT表示例(250MW微粉炭焚きボイラの場合)

1.概要

 ボイラ用燃焼診断装置は,個々のバーナ火炎の燃焼状態を定量的に把握し,燃焼調整の指針を与え,燃焼管理を容易とするものである.図1に装置本体を示す.ボイラの燃焼管理は,自動バーナ制御装置の導入によるバーナの点消火など操作面での自動化は進んでいるものの,バーナの燃焼状態の監視は火炎監視テレビやボイラ出口での排煙監視によって行われているのが現状である.使用燃料が多様化するなかで,最近の大容量発電用ボイラは環境対策および省エネルギー対策からNOx,ばい塵,COを低減する必要があり,さらに高効率運転など燃焼管理面での改善が望まれている.

 このようなニーズに応えるために,このたび従来以上にきめこまかな燃焼状態の評価,管理を可能とする光学的要素を採り入れた本装置を開発,実用化した.

2.原理および構成

 火炎の燃焼状態を判断する場合には,目視によることが多いが,それは火炎の色であったり,明るさであったりする.色とか明るさは人間の感覚的なものであり,その定量化はむずかしい.とくに,ボイラのように多数のバーナをもち,環境対策上,緩慢な燃焼を行わせている場合において,個々のバーナの燃焼状態を目視によって評価するにはかなりの熟練を要する.そこで,火炎からの光の情報を定量化するために分光分析法を応用した評価方法を適用し,運転員が個人差なく燃焼状態を判断できる情報を提供するようにした.

 個々のバーナ火炎の光の検出には,図2に示すように,ボイラの火炉外からバーナ軸方向に検出端である光プローブをバーナ内に挿入した.この挿入方向で火炎の光を検出すると,火炎の光情報を軸方向にわたって検出できる.そのため,火炎の状態変化による火炎長さや火炎のひろがり角度,さらにバーナ軸方向の火炎温度分布の相違などの変化を光エネルギーの変化として顕著に検出することができる.

 光学計測器は,ボイラの全バーナに対して,高性能化,簡素化および保守性を考慮して1基で構成した.個々のバーナ火炎の光を光プローブで集光し,光ファイバケーブルで光学計測器に導く.光スキャナで各バーナの光を選択し,分光器で所定の波長に分光する.さらに,光電変換器でその光を電気信号に変換し,増幅器を介して計算機に取り込む.計算機では,光スキャナの制御と光電変換器の供給電圧制御を行うとともに光データを解析し,その燃焼状態の診断結果を中央操作室に別途に設けた表示用計算機に転送する.図3に光プローブ,図4にボイラ炉内から見た光プローブの取付状況を示す.

3.燃焼診断指標

 個々のバーナの燃焼診断結果は,管理指標としてCRTに表示される.CRT表示例を図5に示す.同図は,個々のバーナに対して火炎の着火点位置を棒グラフの高さで表したものである.運転支援という観点から,過去の任意の期日の診断データを参考値として現在の計測データと対比できるようにしている.その他の指標として,NOx指標,火炎安定性指標,火炎温度指標,バーナスロートクリンカ付着状況指標を同様に表示することができる.

4.結び

 火炎からの光情報を利用した本装置は,燃焼管理に必要な情報を抽出することで,ボイラの運転支援に有効な情報を提供するものであり,その効果を発電用ボイラで実証した.本装置は,個々のバーナの燃焼状態の良否を,燃焼管理指標として短時間で表示する.このため,指標を参照しながら燃焼調整を実施でき,従来の燃焼調整のように熟練者によらず,容易に調整を行うことができる.

 プラントの次世代の高度な制御システムに強調できるよう,今後とも本装置の機能を向上させていく所存である.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1992年、宮前茂広(石川島播磨重工業(株))、渡部教雄(東京電力(株))、松田広信(四国電力(株))、橋本英人(石川島播磨重工業(株))に日本機械学会賞(技術賞)を贈った。

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キーワード

発電用ボイラ、燃焼監視、燃焼診断、燃焼管理、バーナ火炎、分光分析、光プローブ、運転支援
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