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内部循環流動床ボイラの開発

内部循環流動床ボイラ概念図

図1 内部循環流動床ボイラ概念図

総括熱伝達係数と流動化速度の関係

図2 総括熱伝達係数と流動化速度の関係

総括熱伝達係数と流動化速度の関係

図3 総括熱伝達係数と流動化速度の関係

ボイラ構造図

図4 ボイラ構造図

負荷変動特性

図5 負荷変動特性

1.概要

 流動層ボイラの開発が活発に行れてきたのは,多様な燃料への融通性と炉内脱硫・脱硝ができることにあったが,実際は燃焼効率,NOx,SOx等の点で炭種の制約があり,また,給炭系統の複雑さ,負荷変動制御のやりにくさなども明らかになってきている.

 一方,都市ごみの発熱量が年々高くなってきて,流動層の温度が800°C以上となり.クリンカ生成などのトラブルが生じやすくなるため流動層に注水して層温を下げることが必要になってきている.

 しかしながら,流動層注水方式は,せっかくのごみのエネルギーを無駄にするばかりか,排ガス量が増大し,設備が過大になるとともに,エネルギーの有効利用に逆行するものとなってきている.

 内部循環流動床ボイラ(ICFB)の開発により,都市ごみから石炭まで任意に燃料とすることができるようになり,しかも自由自在の層温制御及び負荷変動制御を可能としたものである.

2.技術の内容

 2・1 構造  内部循環流動床ボイラの概念図を図1に示す.本技術は基本的にはバブリング形流動層ボイラの概念を継承する一方,流動層内を主燃焼室と熱回収室とに傾斜仕切壁にて区分し,流動媒体に硅砂を使用して,主燃焼室に旋回流を,そして主燃焼室と熱回収室の間には循環流を形成したものである.この循環流は,傾斜仕切下面から噴出する流動媒体が,左右の熱回収室への反転流となることによって形成されるものである.

 2・2 機能  一般的な総括熱伝達係数と流動化速度の関係を図2に示す.流動化速度0~1Gmfの間での総括熱伝達係数の増加はわずかであり,1Gmfを超えた時点で急激に増加する.

 ICFB熱回収室移動層における総括熱伝達係数と流動化速度の関係を図3に示す.図のようにほぼリニヤに変化するため,熱回収量,流動層温度が任意に制御可能となる.しかもその制御は熱回収室の循環層風量の変化だけで容易に行えるものである.

 また,層内伝熱管の摩耗速度は流動化速度の約3乗に比例すると言われている.すなわち,熱回収室を移動層(低速流動化)にすることにより,伝熱管の摩耗の問題が解決される.

3.混焼発電実施例

 産廃と石炭を混焼して高効率発電を行う双炉型流動床ボイラの実施例構造図を図4に示す.

 本ボイラはAセル,Bセルの2セル構造となっており,更にそれぞれのセルの中を燃焼室と熱回収室とに分けている.

 Aセルには,雑芥,汚泥,廃油,廃液及び補助燃料として石炭を投入し,Aセルの熱回収室には蒸発器を設置して燃焼熱を回収する.

 Bセルには石炭だけを投入し,Bセルの熱回収室には過熱器を設置して燃焼熱を回収し,スチームタービン発電機用の過熱蒸気とする.

 すなわち,過熱器は腐食環境下にないBセルの熱回収室の層内に設置することにより,通常のステンレス材料で十分耐えられる.また,流動媒体は下降する移動層(循環層と呼ぶ)のため伝熱管の摩耗は少なく,しかもデポジットの付着がないため,高温での腐食速度は更に軽微となる.

 本ボイラは,ごみ発電としても混焼発電としても我が国最大級の16MW(蒸気量70t/h)の発電量を持ち,特筆すべきは,混焼時でも石炭専焼時でも最大発電ができることである.これは燃料の発熱量が変化したり,混焼割合が変化した場合,循環層による層内管熱伝達率制御により層内熱回収量を制御し,層温を一定に保ちつつ必要量の燃料を供給することができるからである.

 石炭専焼時における負荷変動特性の一例を図5に示す.図より蒸発量が変化しても流動層温度及び蒸気圧力の変動はかなり小さいことが分かる.特に,流動層温度は循環層による熱伝達率制御により極めて安定している.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、1992年、大下孝裕((株)荏原製作所)、肥後勉(同左)、広勢哲久(同左)、小杉茂(同左)、犬丸直樹(同左)に日本機械学会賞(技術賞)を贈った。

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キーワード

火力発電、流動床ボイラ、主燃焼室、旋回流、循環流、脱硫・脱硝、エネルギー有効利用、混焼発電
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