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500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱技術の開発

電気特性試験状況

写真1 電気特性試験状況

ギャロッピング試験状況

写真2 ギャロッピング試験状況

500kV避雷装置の装柱方式

図1 500kV避雷装置の装柱方式

 架空送電線路に発生する電気事故の約7割が落雷によるものである。雷事故の低減対策として、送電用避雷装置が有効である。しかし、送電用避雷装置はトータルコストが高く、適用拡大に課題がある。

 この課題を解決すべく、77kV、154kVおよび275kVの送電用避雷装置について、鉄塔腕金部の改造が不要なコンパクト装柱化を進め、トータルコストの低減を図ってきた。しかし、500kVの送電用避雷装置は所要耐電圧が高く、また避雷要素部が大きいため、コンパクト装柱化が困難であった。

 そこで、500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱化に取組み、試作品の製作、実証試験を経て、500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱技術を確立した。また、本開発品が、従来の送電用避雷装置と同等の性能を有していること、既存設備に悪影響を与えないことを確認した。

 500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱化には、避雷要素部の小型軽量化が必要であった。避雷要素部の小型軽量化が困難である理由としては、500kVは電圧が高く、必要となる酸化亜鉛素子枚数が多いこと、外被の漏洩距離を長くする必要があることが挙げられる。

 小型軽量化に向けた方策として、酸化亜鉛素子枚数の低減、単位漏洩距離あたりの耐電圧性能の向上、および単位寸法あたりの漏洩距離の伸長に取組んだ。具体的には、素子の高バリスタ化を図ることで、素子枚数を低減させた。また、外被にシリコンゴムを採用することで、単位漏洩距離あたりの耐電圧性能を向上させ、単位寸法あたりの笠枚数を増加させることで、単位寸法あたりの漏洩距離を伸長させた。これらの技術的改良により、開発者らは、従来の避雷要素部を全長2,920mm、質量120kgから、全長2,613mm、質量65kgにまで小型軽量化させた。その結果、500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱化を実現させた。

 本開発品により、耐雷対策品導入時のトータルコストを約40%削減することができる。また、コンパクト装柱による性能低下や、既存設備に悪影響を与えることもない。


 本研究の成果に対して、電気学会は、2010年、大西正規(関西電力(株))、高木俊幸(日本ガイシ(株))に電気学会振興賞(進歩賞)を贈った。

文献

[1] 大西正規,斉藤真一,下田一彦,雪野昭寛,柘植憲治,鳥本宗一,高木俊幸、275kV送電用避雷装置の経済的装柱方式について、平成18年電気学会電力・エネルギー部門大会、2006
[2] K. Tsuge and H. Yamada、Application Technology of Lightning Arrester for 275kV Transmission Lines、28th International Conference on Lightning Protection, Vol.ⅱ, pp. 1001-1006、2006
[3] 柘植憲治,高木俊幸,鳥本宗一,斉藤真一,、下田一彦,大西正規、500kV送電用避雷装置のコンパクト装柱技術、平成21年電気学会電力・エネルギー部門大会、2009

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キーワード

送電、高電圧、放電、電力系統、送電用避雷装置、500kV、装柱、ギャロッピング
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