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光CTの波長分割多重伝送技術を用いたケーブル事故区間検出装置の開発、実用化

光ファイバ電流センサ(光CT)の外観

写真1 光ファイバ電流センサ(光CT)の外観

波長分割多重(WDM)伝送技術の概要

図1 波長分割多重(WDM)伝送技術の概要

WDM伝送を利用した光ファイバ電流センサ式ケーブル事故区間検出装置の構成

図2 WDM伝送を利用した光ファイバ電流センサ式ケーブル事故区間検出装置の構成

 2004年(平成16年)アナログ形に代わり光CTを用いたケーブル事故区間検出装置を開発した。しかし、単心地中ケーブルでは巻線型CTを併用した構成となり、設備投資コストの増大や設備信頼度や供給信頼度の低下の要因となっていた。また、ケーブル事故区間検出装置の責務は1線地絡事故検出であったが、近年関西電力(株)管内の地中ケーブル区間において短絡事故が発生し、設備損壊の拡大を招いたこともあるため短絡事故検出機能の必要性も高まってきていた。

 巻線型CTの省略ならびに短絡事故検出機能の実現には、3相電流を光CTで計測し検出端へ伝送する必要があるが、今回これを「波長分割多重伝送技術」を用いることで、従来同様2芯の光ファイバーケーブルで実現した。これにより、単心地中ケーブルにおいて巻線型CTを用いず、かつ短絡事故検出が可能な新しい光CT型ケーブル事故区間検出装置の開発に成功した。

 従来のケーブル事故区間検出装置を単心地中ケーブルに適用した場合、巻線型CTの設置もしくは6芯の光ケーブルによる伝送が必要であったが、波長分割多重伝送技術を採用することで、巻線型CTの省略ならびに、2芯での伝送が実現でき、設備更新時の投資抑制が可能となっている。

 また、巻線型CTの省略や短絡事故検出機能の実現による設備損壊の拡大防止が可能となったことから、設備信頼度の向上が図られ、ひいては電力品質の向上が可能となっている。また、短絡事故発生時の再閉路阻止が可能となるため、地中ケーブル事故時の2次災害(再閉路によるOFケーブルへの火災誘発等)が低減でき、公衆災害の防止が可能となっている。

 以上のように、本装置は投資抑制を行いつつ、電力品質の向上や公衆災害の防止を実現した画期的な装置であり、また光CT信号を直接分割多重し、3相分の電流情報を2芯の光ファイバケーブルで伝送する手法は、国内初の発想と思われる。


 本研究の成果に対して、電気学会は、2010年、平田利成(関西電力(株))、近藤礼志(東京電力(株))、板倉英治((株)高岳製作所)に電気学会振興賞(進歩賞)を贈った。

文献

[1] 黒澤 潔,近藤礼志,栢木正弘,平田利成,板倉英治,山田敏晴,築山大輔、光ファイバ電流センサ信号の多重伝送技術の開発、電気学会全国大会№6-220,2007.03
[2] 栢木正弘,平田利成,黒澤 潔,近藤礼志,山田敏晴,板倉英治、ケーブル故障検出装置への光ファイバ電流センサ信号多重伝送技術の応用、電気学会保護リレーシステム研究会№PPR-07-30,2007.09
[3] 平田利成、波長分割多重伝送技術を用いた新しい光C87の開発、電気現場技術vol.147,№552,pp.38-42,2008.05
[4] 栢木正弘,平田利成,山田敏晴,板倉英治,樽木陽一、波長分割多重(WDM)伝送方式光ファイバ電流センサを用いたケーブル故障検出装置の開発、電気学会全国大会№6-295,2008.03
[5] 栢木正弘,平田利成,黒澤 潔,近藤礼志,山田敏晴,板倉英治、光CTの波長分割多重伝送技術を用いたケーブル事故区間検出装置の開発、電気学会論文誌B Vol.130, N0.1,pp49-54,2010
[6]M.Kayaki,T.Hirata,K.Kurosawa,R.Kondo,T.Yamada,E.Itakura、Development of the Fault Detection System using Optical Fiber Current Sensors with the Wavelength Division Multiplexing Transmission、CMD2010, B8-4, pp445-448 ,2010

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キーワード

計測、センサ、電力系統、保護リレー、光ファイバ電流センサ、波長分割多重伝送、事故区間検出、光CT、WDM
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