1. HOME
  2. 機械関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1821)

大型商用車用超低排出ガスディーゼルエンジンの開発

DPRクリーナの構造

図1 DPRクリーナの構造

アフタ噴射とポスト噴射

図2 アフタ噴射とポスト噴射

パルスEGR時のバルブリフト

図3 パルスEGR時のバルブリフト

複合EGRマップ

図4 複合EGRマップ

1.概要

 ディーゼルエンジンは,他の内燃機関にくらべCO2排出量が非常に少なく、地球温暖化防止の切り札である.課題は,PM(Particulate Matter)とNOxの大幅な低減であり,これが実現できればディーゼルエンジンの低排出ガス化が加速し,地球温暖化防止に対しても大きく寄与することができる.本エンジンは,これらを同時に低減するために新たに開発したDPR(Diesel Particulate active Reduction system)と電子制御複合EGRシステムを採用し,世界で最もクリーンな排出ガスレベルを実現することができた.

2. 技術の内容

 DPRは,入口と出口が交互に目封じされたコージェライト製の触媒付きフィルタをDPR-クリーナ内に配置し,エンジンから排出されるPMを捕集することにより,PMを大幅に低減することを可能とした(図1).

 しかし,都市内などの排気温度が低い走行では,触媒反応のみによりPMを燃焼・除去することは非常に困難である.捕集したPMをいかなる走行条件でも燃焼・除去する新たな技術が必要となる.そこで,従来のコモンレール式燃料噴射システムに新たにマルチ噴射機能を追加し(図2),アフタ噴射により排気温度を高めた後にポスト噴射により未燃ガスを触媒に送りこみ,触媒反応で発生する熱により捕集したPMを燃焼・除去するDPR強制再生制御システムを開発した.これにより,都市内走行などの排気温度が低い走行条件でも使用可能なPM除去装置を開発することができた.

 一方NOx低減のキーテクノロジーは,クールEGRである.ディーゼルエンジンの場合,高温のEGRガスを大量にシリンダ内に導入すると燃費・黒煙が悪化するため,大幅なNOx低減ができないという問題があった.これを解決する方策としてEGRクーラを用いEGRガスを冷却する方法(クールEGR)があるが,エンジン冷却水への放熱量が大幅に増大し,車両の冷却系を大幅に強化する必要がある.この相反する課題を解決する方策として,世界トップレベルの高い温度効率をもつ新開発EGRクーラによるクールEGRと冷却水への放熱がない内部EGR(パルスEGR)(図3)を複合した電子制御複合EGRシステム(図4)を採用することにより大幅なNOx低減を可能とした.

3.おわりに

 今日,ディーゼルエンジンの排出ガス対策は極めて困難視されているが,本技術の実用化によりブレークスルーの方向性が示されたと考える.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2004年、遠藤 真(日野自動車(株))、辻田 誠(日野自動車(株))、村松俊克(日野自動車(株))、通阪久貴(日野自動車(株))、細谷 満(日野自動車(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

エネルギーと環境(エネルギー・環境)
(エンジンシステム)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2004
スマトラ沖で地震(M9.0)が発生し、死者・行方不明者数が30万人以上に上る。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

PM(パティキュレート)、EGR、コモンレール式、マルチ噴射、フィルタ捕集、ディーゼルエンジン、汚染物質抑制、NOx、CO2問題、微粒子
Page Top