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メカトロニクス制御ソフトウェア実機レス開発向けシミュレーション技術

仮想メカ・モデルによる実機レス開発

図1 仮想メカ・モデルによる実機レス開発

DCML[sup]TM[/sup]言語モデル例およびシミュレーション例

図2 DCMLTM言語モデル例およびシミュレーション例

ユーザSW開発環境との接続実績

図3 ユーザSW開発環境との接続実績

1.概要

 本技術は,メカトロニクス機器の制御ソフトウェアの開発において,シミュレーションを用いて試作機完成前の段階からソフトウェアの実機レス・デバッグ作業を可能にする設計支援技術である.メカトロニクス機器においては,複雑化,多機能化とともに,高品質化と設計リードタイムの短縮が喫緊の課題であった.しかし,複雑な可動部分であるメカ(機械)とソフトウェアの連携で製品の価値を発揮していることから,実機の完成を待たなければソフトウェアの検証,デバッグができず,高品質化の上で最も大きな課題の1 つとなっていた.

 本技術を実現するシミュレータでは,3D-CAD データ及び物理方程式を活用して仮想のメカ・モデル(ディジタル・モックアップ)を構築する(図1).3D 表示にはXVL 技術を活用し,高速表示と動的干渉解析を実現する.また,キネマティクス解析エンジン,独自のダイナミクス・モデリング言語DCMLTM(Dynamics Constraint Modeling Language)を備え,制御ソフトウェア連携機能により制御ソフトウェアと結合される.これにより試作機台数削減などのコストダウンと,メカの異常状態と含む幅広い検証による高品質化を実現した.本シミュレータはマイコン制御・シーケンス制御の両方に対応できるツールであり,プリンタなどの精密機器,医用機器,各種製造装置,家電などで幅広い活用実績がある.

2.技術の内容

 本シミュレータの中でメカ(機械),モータ,センサなど動的な挙動を記述し模擬するのがダイナミクス・モデリング言語DCMLTMである.図2 はDCMLTMによるモデル例及びシミュレーション例である.DCMLTMは,通信など外部からのイベント(離散的事象)とモータの挙動(連続系事象)が混在するメカトロニクスシステム等(図2(a))を運動方程式と状態遷移でモデル化できる(図2(b)).またこれらを簡潔に記述し(図2(c)),高速にシミュレーションできる(図2(d)).従来微分方程式を含む運動方程式を計算するには数値計算可能な形に離散化する必要があったが,DCMLTM 言語では運動方程式を直接記述することができる.また独自の制御構文を用いて状態遷移モデルを簡潔に記述することができる.

 キネマティクス解析エンジンは,マウスによる簡単な機構動作設定と3 次元空間における機構の位置・姿勢のシミュレーションや動きに伴う干渉解析が可能である.機械部品間の同軸関係や面と面のスライド関係などを,内部的に非線形代数連立方程式系に変換することにより,複雑な機構であっても柔軟に解くことができる.

 図3 に示すように,様々なユーザソフトウェア開発環境との接続が可能であり,現場での設計ツールや手順に合わせて,最適な実機レス開発環境を構築できる.

3.まとめ

 本技術は,マイコン制御,シーケンス制御の双方をサポートするメカトロニクス制御ソフトウェアの実機レス検証ツールとして2002 年の発売以来幅広く製品開発に適用され,設計期間の短縮と品質向上に大きく貢献している.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2010年、吉田充伸((株)東芝)、近藤浩一(同左)、本橋聖一((株)インターデザイン・テクノロジー)に「日本機械学会賞(技術)」を贈った。

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キーワード

シミュレーション、実機レスソフトウエアデバッグ、ダイナミックスモデリング言語、CAE/CAD、メカトロニクス、制御、ディジタルモックアップ
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