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反力制御機能付きアクセルペダルによる車間維持支援システム

反力制御機能付き車間距離維持支援システム

図1 反力制御機能付き車間距離維持支援システム

主な構成部品

図2 主な構成部品

先行車両に対する追従性評価結果

図3 先行車両に対する追従性評価結果

1.概要

 ドライバが運転する走行環境はさまざまであり,ドライバは加速,減速,一定走行を繰り返し,先行車両との車間距離を維持しながら走行している.特に交通量が多い場合では,この一連の操作を頻繁に行いながら車間を維持しなければならないような状況がある.このような状況下でのドライバが行う「アクセルを離して必要に応じてブレーキ操作をする」という一連の行動に着目し,先行車両との接近状況に応じてアクセルペダルの反力と減速度を制御することで,車間距離を維持する操作を支援するとともに,ドライバの負荷を軽減する運転支援システムを開発した.(図1

2.技術の内容

 本システムは,車両前部に設置したレーダーセンサからの情報を基に,先行車両との車間距離や相対速度に応じてブレーキを制御するとともに,アクセルペダルを踏んでいる場合には,アクセルペダルアクチュエータによりペダルを押し戻す力を発生させることで,ドライバの車間維持操作を支援する.以下にシステムの作動例を示す.

(1)追従走行中の先行車両に近づいたとき
 ドライバがアクセルペダルを戻すと,システムが滑らかにブレーキをかけて減速し,ドライバの車間維持操作を支援する.ドライバがアクセルを踏んでいる場合は,アクセルペダルアクチュエータがアクセルペダルを押し戻す方向に力を発生させ,アクセルペダルを戻す操作を支援する.

(2)ドライバによるブレーキ操作が必要とシステムが判断したとき
 ディスプレイの表示及びブザーによる警報で注意を促すとともに,アクセルペダルアクチュエータがペダルを押し戻す方向に力を発生させ,ドライバがアクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえる操作を支援する.

 本システムの構成を図2 に示す.ステアリングに設けられているシステムの作動スイッチを入れると,フロントバンパー付近に設置されたメインコントローラ一体型のレーダセンサにより先行車両と自車両の車間距離,相対速を検出し,検出した先行車両との相対関係に基づき,アクセルペダル入力に対する感度調整制御,アクセルペダルの反力制御,及びブレーキ制御演算を行う.この演算結果を基に,アクセルペダル及びアクティブブースタに指令を送り,アクセルペダルに反力を発生させる.さらにドライバがアクセルから足を離すと,ブレーキ液圧の指令をアクティブブースタに送り,自車両を減速させる.システムからの情報をドライバに提示する場合は,ブザー及びインストルメントパネルを駆動するための演算を行い,それぞれに指令を送り,ブザーを駆動し,インストルメントパネルに表示を駆動する.システムの作動スイッチを切ると,システムの作動は停止する.

 実車実験を通じて,
  ① ドライバの減速操作負荷の軽減
  ② 先行車への追従性が向上
  ③ 衝突余裕時間の小さくなる接近シーンが減少
などの効果を確認しており,ドライバの減速操作を必要とする状況が少なくなっていたことを裏付ける結果が得られた.

3.まとめ

 アクセルペダルの反力を制御する機能及び減速度を制御する機能により,ドライバの車間維持操作を支援するシステムを開発した.本システムを使用することで,さまざまな走行環境において,ドライバの運転操作負荷を軽減する効果があることが確認できた.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2010年、木村 健(日産自動車(株))、高江康彦(日産自動車(株))、安藤 光(日産自動車(株))、菅野 健(日産自動車(株))、倉田和典(日産自動車(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

車間距離、アクセルペダル、ブレーキ、追従性、減速操作、知能化・自律化技術、ダイナミクス・制御、計測技術、安全性・信頼性、自動車・産業車両
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