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エンジンバルブ作動角・リフト量連続可変システムの開発

エンジンバルブ作動角・リフト連続可変システム構成

図1 エンジンバルブ作動角・リフト連続可変システム構成

バルブ作動角・リフト可変原理

図2 バルブ作動角・リフト可変原理

車両加速性能比較

図3 車両加速性能比較

1.概要

 近年,環境問題に対する関心は世界的に高まる一方であり,自動車用エンジンにとって,低燃費化,低エミッション化といった環境負荷低減は重要な課題である.また同時に,動力性能の向上もお客さまの強い要求であり,この相反する要求のために,可変動弁機構が重要な技術となっている.

 すでに実用化されているカム位相を変化させるバルブタイミングコントロールシステム(VTC),カム切り替えタイプの可変バルブリフトシステム(VVL)に対し,可変自由度を飛躍的に向上させ,バルブリフト量,バルブタイミング,開弁期間の全てを連続的に且つワイドレンジにコントロールできるバルブ作動角・リフト量連続可変システム(Variable Valve Event& Lift : VVEL)の開発を行った.

2.技術の内容

2-1 エンジンバルブ作動角・リフト量連続可変システム(VVEL)の特徴
 バルブ作動角とリフト量の連続可変を実現させる機構として,従来のカムシャフトによるバルブ開閉に代わり,リンクで構成されたバルブ開閉機構とした.この機構は,リンク中のロッカーアームの支点を可変することにより,バルブ作動角及びリフト量を変化させることが出来る(図1).このロッカーアームはコントロールシャフト上に配置され,シャフトをDC モーターで回転させることにより,リンクの支点位置を変え,バルブ作動角及びリフト量を連続的に変化させる(図2).

 本機構はリンク結合による強制駆動であり,リターンスプリングによる反転力が不要で,小型でシンプルな部品構成が可能となった.また高効率ボールネジ式減速機と小型DC モーターも相まり,本システムは低フリクション・高回転対応・高速変換・低消費電力など優れた特徴を有する.

2-2 エンジンバルブ作動角・リフト量連続可変システム(VVEL)の効果
(1)燃費性能向上
 吸気弁早閉じによるポンピングロス低減効果と反転力のないリンク機構のフリクション低減効果により,約10%燃費性能が向上する.
(2)排出ガスのクリーン化
 小リフトリフト時は吸入空気流速が上昇するため,燃料霧化(2 次微粒化)が促進され,冷機時の燃焼が安定する.その結果,触媒の昇温を早める点火時期設定が可能となり,NMHC 排出量が半減する.
(3)動力性能
 常に最適なバルブリフト量に制御出来るため,全運転領域でトルクが向上する.さらに,バルブ自身による空気量制御により,従来のスロットル制御に対し低回転・低負荷域で空気応答が速く,アクセルレスポンスが向上する(図3).

3.まとめ

 今回開発したエンジンバルブ作動角・リフト量連続可変システム(VVEL)は,2007 年より発売となったスカイラインクーペ及びInfinitiG37Coupe 用V6 エンジン(VQ37VHR)から搭載を開始し,フェアレディZ 及びスカイラインセダンと順次採用を拡大し,Infiniti FX50 用V8 エンジン(VH50VE)にも搭載され,燃費・排気・性能の3 性能を同時に大幅に向上させた.お客様より好評を得ており,今後も適用車種を拡大していく.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2009年、木賀新一(日産自動車(株))、赤坂裕三(日産自動車(株))、有永 毅(日産自動車(株))、鶴田誠次((株)日立製作所)、武田敬介((株)日立製作所)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

可変動弁機構、カムシャフト、カム位相、バルブリフト、ポンピングロス、レシプロエンジン、エンジン要素、トライボロジー、計測技術、自動車・産業車両
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