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ハイビジョン-PAL(SECAM)方式変換装置の開発

ハイビジョン-PAL(SECAM)方式変換装置

図1 ハイビジョン-PAL(SECAM)方式変換装置

ハイビジョン-PAL 方式変換装置の外観

図2 ハイビジョン-PAL 方式変換装置の外観

従来テレビとハイビジョンの方式比較

表1 従来テレビとハイビジョンの方式比較

 日本のハイビジョン放送(HDTV)は、2000年に国際的に合意された国際電気通信連合(ITU)の勧告に従って実施されている。HDTVが新しいテレビ方式として研究課題に取り上げられたのは1974年の国際無線通信諮問委員会(CCIR)であり、現行テレビの2倍以上の解像度をもつテレビシステムとして、標準化のための作業がスタートした。

 CCIRでは、HDTVスタジオ規格が検討された。当初、有効走査線数(画面上で画像が表示される部分の走査線数)は日本方式1035本、ヨーロッパ方式1150本が提案され、さらにアメリカが留保を表明して統一スタンダードが達成されていなかった。そこでHDTVの国際標準制定の気運が高まった。その際、日本方式で統一する場合の最大の争点がフィールド周波数であった。

 日本が提案したHDTV規格では、フィールド周波数が60Hzとなっている。一方、ヨーロッパの現行カラーテレビ方式であるPAL方式SECAM方式ではフィールド周波数が50Hzであり、日本方式のHDTV信号からPAL/SECAM信号への変換が良好な画質で行えるかを検証することが求められた。表1に、HDTV(ハイビジョン)規格と現行テレビ方式との比較を示す。

 これまで標準テレビで開発されてきたNTSC-PAL/SECAM間の方式変換装置には、線形フィルターによる内挿法が採用されてきた。ただ、フィールド周波数が大きく異なるテレビ方式間でのこの種の内挿法による信号変換では、解像度の劣化や動画像でのジャダーなどの問題点が指摘されていた。

 特にジャダーは、画像が等速で一方向に、つまり定常的に動く場合に目立ちやすい。フィールド周波数60Hzの信号を50Hzの信号に変換するとき、線形内挿法では変換画像には動き画像の輪郭部分に10Hzの変動が生じ、これがジャダーとなって知覚される。

 こうした画質劣化を防ぐため、走査線数変換には「動き適応型走査線数・順次走査変換法」、フレーム数変換には「動き補正型フレーム数変換法」などを用いた「ハイビジョン-PAL(SECAM)方式変換装置」が開発された(図1参照)。

 順次走査変換は、走査線数変換での垂直解像度の劣化を抑え、フィールド方向の処理性能を向上させる。しかし動きベクトルを用いた動き補正型フレーム数変換だけで変換処理を行う場合、動きベクトル検出の精度を高める必要があり、システム規模が大きくなってしまう。そこで静止画領域や非定常な動き領域では従来の線形内挿法をフレーム数の変換に適用し、動きベクトル情報と動き領域情報でフレーム数変換処理を適応的に制御する方式を用いた。なお、SECAM方式への変換には、図1のPALエンコーダをSECAMエンコーダに替えればよい。

 ハイビジョン-PAL方式変換装置(図2)の試作機は、1985年1月のHDTV規格化に関するCCIRの中間作業部会で実験展示された。さらにヨーロッパ放送連合(EBU)と共同で主観評価実験を行った結果、回転画像のような特殊な場合を除き、PALカメラの画像とほぼ同等の画質が得られることが分かった。

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分野のカテゴリ

放送
(放送の方式と処理技術)

関連する出来事

1974年
国際標準化機関のCCIRで、HDTVを現行テレビの2倍以上の解像度をもつテレビ方式として研究課題に取り上げられた。
1985年1月
HDTV規格化に関するCCIRの中間作業部会で実験展示

世の中の出来事

1985
つくば市で科学万博が開幕する。
1985
電電公社が民営化され、NTTが発足する。

Webページ

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博物館等収蔵品

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キーワード

ハイビジョン、HDTV、PAL、SECAM、動き補正、動き適応、方式変換、ハイビジョン、放送方式、方式変換、ディジタル信号処理
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