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原子力及び火力プラント給水加熱系の多段蒸気インジェクタによる簡素化システム技術開発

現行の復水器上部の給水加熱器

図1 現行の復水器上部の給水加熱器

多段インジェクタ給水加熱システム

図2 多段インジェクタ給水加熱システム

多段蒸気インジェクタを採用した給水加熱系

図3 多段蒸気インジェクタを採用した給水加熱系

1.概要

 蒸気インジェクタは蒸気の超音速噴流で給水を駆動する可動部のない静止型噴流(ジェット)ポンプで,供給蒸気圧力より高い吐出圧が得られるとともに,蒸気と水が直接接触する熱交換器としても作動することから,高効率の直接接触型加熱器として作動させることが可能である.受賞者らは,原子力および火力発電プラントにおいて,タービンからの抽気蒸気を用いて給水を加熱する給水加熱系の簡素化を目的として,従来の蒸気インジェクタの性能と適用範囲を超えて極めて高性能化した,かつ広範囲な運転領域に適用可能,しかも過去に例のない多段・並列運転を可能とした高性能蒸気インジェクタシステム技術を開発した.

2.技術の内容

 開発した「多段蒸気インジェクタ駆動簡素化給水加熱システム」は,現行ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)の給復水系を条件として開発した.図1に示す復水器上部にネックヒータとして設置してある給水加熱器を,図2のコンパクトな多段蒸気インジェクタに置き換えることにより,図3に示すシンプルなシステムとなる.また,石炭火力発電プラントヘの同給水加熱システムヘの適用も可能である.

 この技術の適用により,ABWR低圧給水加熱系の物量は約3分の一に削減可能であり,また復水器上部のネックヒータを削除することによりタービン建屋高さを約3.5m低減可能となって,タービン建屋高さの低減と物量削減効果による建設費の低減が可能である.またメンテナンスの簡素化による保守費用の低減,さらには給水加熱器の取替え工事が不要になることから,ライフサイクルで取替え工事に伴う約6箇月×2回程度の長期停止による発電損失がなくなる.このライフサイクルコスト低減を考慮すれば,適用にあたってその有用性はより大きくなると考えられる.大型のシステムに適用する前に小型火力システムなどで普及を図りたい.

3.耐久性確認

 このシステムの耐久性を確認するため,イタリアSIET社にて隣接する火力発電所からの蒸気を用いて長期フィールドテストを実施し,良好な結果を得た.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2005年、森 治嗣(東京電力(株))、奈良林 直((株)東芝)、大森修一(東京電力(株))、岩城智佳子((株)東芝)、浅沼 裕((株)東芝)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)、インジェクタ、給水加熱系、蒸気、多段、流体機械、流体機械要素、ポンプ、噴流、熱流体システム
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