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後方監視カメラを用いた自動操舵後退駐車支援システム

構成

図1 構成

目標駐車位置設定画面

図2 目標駐車位置設定画面

1.概要

 後退駐車は高度なハンドル操作,周囲への安全確認,および車速管理が必要とされ,苦手なドライバも多く,駐車支援の二一ズは高い.

 また,近年,車両にはEPS(Electric Power Steering),アクティブ車輪速センサ,舵角センサなどの展開が広まり,アクチュエータのみによる操舵および極低速時の正確な自車位置推定が低コストで可能となってきている.そこで,これらの機能を活用した自動操舵後退駐車支援システムを開発した.

2.技術の内容

2.1 仕様
 本システムのねらいは,後退駐車時に最も負担の大きい操舵操作を車側で実施することによるドライバの負担軽減と車両周辺への注意力増加である.

 駐車形態は車庫入れ・縦列駐車,対象路面はアスファルト・コンクリートなどの平坦路,こう配はクリープで後退可能な範囲とした.また,車速管理はドライバがブレーキペダルで行い,アクセルが操作された場合には支援を解除する.操舵制御は安全な操舵速度範囲内で行い,ドライバのステアリング操作により支援を解除する.周囲の安全確認は,ドライバが直接行う.駐車精度は,標準的な駐車枠内に駐車可能であることとした.

2.2 構成
 図1にシステム構成を示す.駐車支援ECUはカメラおよびディプレイと接続し,車両後方の映像をディスプレイに表示する.ディスプレイ上で設定された目標駐車位置(図2)を,車高センサを用いてカメラの高さと角度を補正して路面上に投影変換する,さらに,スピーカより音声案内を,ブザーより車速超過警告を行う.また,駐車支援ECUは制御系CAN(Controller Area Network)を介して,HV制御ECU,舵角センサ,EPS ECUと接続し,HV主機モータ電気角センサから計算した移動量と操舵角を用いて自車位置を推定する.目標軌道(走行距離と曲率のマップ)から,目標舵角を算出しEPS ECUに送信する.EPS ECUは,目標舵角と実舵角の偏差に応じて操舵制御を行う.

2.3 経路生成アルゴリズム
 ドライバの操舵特性の調査により,走行距離に対する操舵変化は,クロソイド曲線で近似できることがわかった.車両により決まる最大曲率とAct.の能力で決まる最大偏向経路を基本経路とし,これを実際の目標駐車位置に応じて相似拡大することにより目標経路を生成している.また,初期位置で相似拡大できない場合は,直進後退しながら相似拡大の条件を探索し,条件が探索できた時に新しい経路に乗り換えることで,より滑らかな操舵も実現できた.

3.まとめ

 本装置は,Intelligent Parking Assistの商品名で,新型プリウス(03/9)とマークX(04/10)に搭載され,すでに約7万システムが生産されている.また,本装置により,後退駐車時のドライバの操舵負担が軽減され,その分周囲への安全意識の増加が期待できると考えている.今後は,駐車空間・障害物の認識,速度制御などの技術を開発し,さらに高度な駐車支援システムを開発する予定である.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2005年、里中久志(トヨタ自動車(株))、岩田洋一(トヨタ自動車(株))、岩切英之(トヨタ自動車(株))、岩崎克彦(トヨタ自動車(株))、遠藤知彦(トヨタ自動車(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

駐車支援、操舵制御、位置推定、軌道、後退駐車、自動車・産業車両、自動認識技術、安全性・信頼性、運動制御、メカトロニクス
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