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大型高速新聞輪転印刷機の開発

高速新聞輪転印刷機

図1 高速新聞輪転印刷機

新聞輪転印刷機概要

図2 新聞輪転印刷機概要

紙折り部分の概要

図3 紙折り部分の概要

1.概要

 高品位な新聞を,短時間に大量印刷する新聞業界の二一ズに応え,高生産性,高品質,高信頼性を実現した高速新聞輪転印刷機を開発した(図1).最高速度は世界最高の18万部/時で,従来4セット必要であったところを3セットで賄える能力である.同時に,旧来の機械から,不良紙および消費動力を約20%削減し,印刷工場の生産性に貢献する.

 高品質を保ちつつ高速化を実現するために,全般にわたる要素開発・検証を実施し,機械強度などの開発に加えて,薄い新聞紙の安定搬送,ミクロンオーダのインキ薄膜の安定転写,低速から高速まで均一なインキ供給,作業性を損なわず振動を低減するローラ構造,紙挙動に合わせた調整機能や空気力を用いてシワや折れ障害なしに紙を折る技術を開発し,実機を完成させた.

2.技術の内容

 新聞輪転印刷機(図2)は,4色印刷16頁を含む40頁の朝刊を印刷可能で,全高約15m,全長約20mである.主要な構成部分は,用紙を装着する給紙部,印刷前の張力を制御するインフィード部,紙にインキで情報を転写する印刷部,多数の印刷部から出た紙を新聞の頁順に並べるウェブパス部,一紙を重ねて断裁して折る折機,および電気制御,であり,高速化のためには全パートの性能向上が必要である.

 給紙部とインフィード部では,約1.2tの新聞用紙を20分で消費する高速運転に対応するため,張力制御系・自動紙継ぎ装置を高精度化し,最大の障害である断紙を抑制した.

 続く印刷部では,約14m/sで移動する用紙の位置ずれを数10μmに抑えるため,フレーム剛性を向上させるとともに,ローラ構造を改良し回転振動を低減した.また,高速時のインキ転移現象の研究に基づき,約1μmの乳化インキを供給する印刷ローラ配列を改良したことで,従来以上に均一な色彩と鮮鋭な印刷画像を得た.

 ウェブパス部では,張力解析に基づき駆動ローラや空気浮上装置を配置することで,用紙の走行を安定化させた.

 折機では,連続紙を切断し,折込みローラ間で圧をかけて折り出すが,拘束のない用紙両端部のばたつきが,しわの原因となる(図3).本開発では,高速運転時の計測や解析結果をもとに,空気流による用紙拘束,折込みローラ位相制御,ガイド形状改良などにより改善させた.

 また各部のメカロス低減,精密モータによる個別駆動方式などにより必要動力を下げるとともに,上述の安定した用紙走行,インキ転写技術により,従来は不良紙として廃棄していた用紙枚数を低減でき,日々の用紙使用量が多大な新聞印刷において大きな経済効果になっている.

3.まとめ

 今回開発した「大型高速新聞輪転印刷機」は,DIAMONDSTARの商品名で上市し,初号機が2004年4月から順調に運転を開始した.2004年9月現在,5セットが稼動中,2セットが据付工事中で,さらに5セットを新規受注し好評を得ている.


 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2005年、赤塚正和(三菱重工業(株))、吉川俊郎(三菱重工業(株))、松島 哲(三菱重工業(株))、西山浩司(三菱重工業(株))、青木将一(三菱重工業(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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新聞、輪転機、インキ、ローラ、高速化、印刷機械
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