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東京都現代美術館・展示室照明環境の計画と実施

  • 写真なし柳澤 孝彦
  • 写真なし伊藤 真人
  • 写真なし池部 博司
  • 写真なし諏訪 武男
  • 写真なし山中 正郎
  • 写真なし中矢 清司
  • 写真なし片山 就司
ロールスクリーンを利用した展示空間の昼光制御システム

図1 ロールスクリーンを利用した展示空間の昼光制御システム

[従来技術]

 美術館の展示照明に昼光を利用するには、保存展示の観点から、展示壁面に入射する光量を一定にコントロールする必要がある。これらの制御は、従来は可動ルーバーを用いてコントロールしていたが、光の均一性と採光効率の両立に問題がありトップサイドの各窓面からの採光に対する有効な手段ではなかった。


[解決すべき課題]

 東西に面するトップサイド採光という建築条件を効果的に活用するため、電動ロールスクリーンによって昼光を遮光・拡散させ、展示壁面に入射する光量を一定にコントロールすること。また、光量が不足する場合は、それを補償するような人工照明とその制御システムを実現すること。


[手段]

 本システムは、3F常設展示室に設置された。この展示室は、天井高が8mで、かつ東西方向に並ぶ高さ3m、延べ長さ150mに及ぶ両面採光方式のトップサイドライトを有する大空間である。トップサイドライト各窓面は、真東西面に向いており、透過率約30%の乳白ガラスが装着されている。

 スクリーンはその内側に設置され、ロール式で電動昇降する。このスクリーンは完全遮光性能を有するファイバーグラスクロス製で、1ユニットの幅は約2m、計148ユニットが装備されている。

 一方、照明設備はハロゲン電球250Wおよび300W用のウォールウォッシャー器具が天井面に計472台設置されている。制御は、壁面下部の幅木部分に分散して配置された10個の照度センサーに基づき、スクリーンの昇降とハロゲン電球の調光レベルを変えることにより、壁面の床上1.5mの位置で2001xを保持するよう行われる。

 スクリーンの制御ステップは5段階、人工照明は10段階で、急激な昼光の変化に直接影響されないように制御間隔を10分とし1回の制御で1レベルしか変化しないようプログラムされている。ただしこの制御間隔は可変である。


[効果]

 美術品の保存と光の均一性の点から、昼光の採光量を適切に制御できる。なお、スクリーンは南中時間を境に太陽の位置する側を優先して昇降制御することで、光の方向性のバランスをとることができる。また、人工照明のみでも200lx以上確保できており、人工照明のみの展示も可能である。


[応用]

 省エネを目的とした大空間の昼光利用システムに応用可能である。

 本研究の成果に対して、照明学会は、1995年、柳澤 孝彦(TAK建築・都市計画研究所)、伊藤 真人(TAK建築・都市計画研究所)、池部 博司(TAK建築・都市計画研究所)、諏訪 武男(TAK建築・都市計画研究所)、東京都財務局営膳部、山中 正郎(竹中工務店)、中矢 清司(松下電工)、片山 就司(松下電工)に日本照明賞を贈った。

文献

[1] 東京都現代美術館の照明、1995年、平成7年照明学会誌7月号 照明データシートNo.1038
[2] ロールスクリーンを利用した展示空間の昼光制御システム、1995年、平成7年照明学会東京支部大会 講演No.26

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照明
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キーワード

美術館、展示照明、トップサイドライト、昼光制御システム、ロールスクリーン
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