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ハイブリッド技術を応用した燃料電池自動車の開発

トヨタFCHV

図1 トヨタFCHV

ハイブリッド構成

図2 ハイブリッド構成

車両主要諸元

表1 車両主要諸元

1.概要

 温暖化ガス削減など地球規模での環境問題に対応するため,自動車産業においてはクリーンで高効率なエネルギー変換デバイスである燃料電池を動力源とした燃料電池自動車の実用化開発が活発である.弊社では1992年から燃料電池の車両動力源としての可能性を模索しつづけ,2002年12月に自社開発の燃料電池と,ハイブリッド技術を組み合せた燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV(Fuel Cell Hybrid Vehicle)」を開発し(図1),世界で初めて限定販売を開始した.

2.技術の内容

 表1に車両主要諸元を示す.燃料電池スタックとして弊社が独自開発した「トヨタFCスタック」を搭載し,最高出力は90kW.燃料は水素で,水素貯蔵装置には350気圧高圧水素タンクを採用した.各コンポーネントを小型化しべ一ス車の客室・荷室をまったく損なうことなく搭載した.

 図2に示すように,トヨタプリウスなどで培ったハイブリッド技術を応用しエンジンを燃料電池に置き換えた電池と電池の新たなハイブリッドシステムを開発し採用した.燃料電池とモータは直列に,バッテリはDC/DCコンバータを介し燃料電池と並列に接続.燃料電池と二次電池のハイブリッド制御は,このDC/DCコンバーターにて燃料電池の動作点を動かすことで実現した.ハイブリッドの最大の特徴は、燃料電池を効率の良い領域を選んで運転できることである.燃料電池システムのもつ高いエネルギー変換効率とこのハイブリッド制御による効率の向上で,10・15モード走行時の消費した水素エネルギーに対する駆動エネルギーの割合である車両効率は50%を達成し,新しい高効率な動力源としてのポテンシャルを実証した.同様に燃料の製造段階も含めたCO2排出量(走行時は排出ゼロ)も従来車に比べ大幅に削減できるポテンシャルを確認した.また発進域から最大トルクを出力できるモータ特性・燃料電池システムの高応答性などにより,力強く,なめらか,レスポンスのよい加速性能,内燃機関のような運動部品や燃焼がないことによる高い静粛性など,自動車としての高い商品性も実証した.市場導入に際しては,プロトモデルで延べ13万kmに及ぶ走行テストを行い,信頼性や耐久性を確保している.

3.おわりに

 この市場導入は,将来の水素社会の実現と燃料電池自動車の普及に大きく貢献したと認識している.今後もグローバルな競争と協調により燃料電池のよりいっそうの開発推進を担っていきたい.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2004年、大仲英巳(トヨタ自動車(株))、内田敏夫(トヨタ自動車(株))、堀尾公秀(トヨタ自動車(株))、木崎幹士(トヨタ自動車(株))、石川哲浩(トヨタ自動車(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

水素、モータ、水素貯蔵装置、CO2排出、制御、熱効率、燃料電池、新方式機関、ハイブリッドエンジン、電池
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