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高精度ガラス素子成形装置の開発

装置概観(GMP-211)

図1 装置概観(GMP-211)

成形プロセス

図2 成形プロセス

装置構成

図3 装置構成

1.概要

 近年,射出成形機によるプラスチック非球面レンズなどの光学素子は技術,生産ともに大きな伸びを示してきたが,使用環境の制約,素材選定の自由度,面精度の観点からガラス素材の対応が嘱望されていた.従来,精密ガラス光学部品は研削,研磨による多工程を経て造られてきたが,精度が高く形状が複雑な非球面レンズなどは大量生産が困難であった.

 このような背景で,精密ガラス光学部品を,プレス成形で大量生産を行うことを目的に開発されたのが高精度ガラス素子成形装置(図1)である.

 本装置はカメラ,ビデオカメラ,レーザピックアップ用非球面レンズ,さらにレーザプリンタなどに使用されるf-θレンズ,プリズムなど異形レンズおよび回折格子やV溝基板などの微細形状ガラス部品を,高精度に再現性良く安定して生産することを可能とした.

2.技術の内容

 高精度ガラス成形とは,金型上のガラス素材が,加圧により変形する温度に素材と金型を同時加熱保持し,プレス成形により金型形状を高精度に転写させる方法である(図2).高精度な成形結果を得るためには,金型,素材の均一加熱と正確な温度,加圧力および金型位置の制御が不可欠である.

 (図3)に装置の概略を示す.加熱には特製の赤外線ランプを金型の周囲に配し,最高加熱温度800°C,φ110mmの上下金型の均一な加熱を可能とした.均一な温度分布は,大口径レンズの成形や小径レンズの同時多数個成形を可能とした.

 プレス軸駆動にはACサーボモータを使用し,NC制御を採用することにより,正確な金型の位置決め(最小設定単位0.001mm)およびプレス力を設定値に保持するなフィードバック制御を可能とした.位置優先またはプレス力優先の多彩なプレス制御が可能となり,極めて高い成形品精度の安定性を実現させている.

 このような基本構成の上に,経験的に得た二一ズを満たすべく,真空成形や上下2軸駆動が可能な高機能装置を追加開発した.

 例えば,真空成形は複雑なレンズ形状により生ずる空気溜りを解消し,また上下2軸駆動はバリの減少と成形品の取出しを容易にした.さらに,成形温度を1500°Cまで高めた高温成形装置を開発し,これまで不可能とされてきた石英ガラスの成形をも可能とした.

3.おわりに

 今後,情報分野などのさらなる飛躍に伴い,非球面ガラスレンズに代表される光学ガラス部品の適用範囲が拡がると同時に,高精度化の要求がますます高まってくると思われる.本成形装置がこれらの二一ズに応え,おおいに貢献できるものと期待する.


 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2001年、勝木雅英(東芝機械(株))、漆畑和則(東芝機械(株))、鎌野利尚(東芝機械(株))、正木宏孝(東芝機械(株))、松月 功(東芝機械(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

非球面レンズ、非球面ガラスレンズ、高精度ガラス素子成型装置、超精密加工、塑性加工(圧延,鍛造,押出,引抜,プレス加工)、薄膜・表面処理(CVD,PVD,イオンプレーティング,スパッタリング)、金型加工
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