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多彩なイベントに対応する出雲ドームの照明環境可変システム

  • 写真なし岩國 哲人
  • 写真なし柳 喜一朗
  • 写真なし市川 孝誠
  • 写真なし藤田 茂明
  • 写真なし森 明
  • 写真なし植田 慶幸
  • 写真なし宇矢 弘
  • 写真なし脇田 芳典
  • 写真なし竹内 房雄
夜景外観

図1 夜景外観

ドーム内部

図2 ドーム内部

ドーム断面図

図3 ドーム断面図

投光器照射方向とグラウンド面実測等照度分布図 野球使用時

図4 投光器照射方向とグラウンド面実測等照度分布図 野球使用時

投光器照射方向とグラウンド面実測等照度分布図 サッカー使用時

図5 投光器照射方向とグラウンド面実測等照度分布図 サッカー使用時

[解決すべき課題]

 市民の健康増進のための通年型スポーツレクリエーション施設及び、地域活性化を図る起爆材としての役割をあわせ持つ出雲ドームは、維持管理費を最小限とする事を前提とし、更に年間40日はイベントを行い収益をあげる事が求められた。直径143m、高さ48.9mのドームは、スポーツ空間に求められる機能的照明環境と劇場やホール空間に求められる華やかでムードある照明環境の両立も求められた。


[手段]

 照明環境可変システム(フラワーシェード照明システム)を開発し、イベントに応じた最適照明環境を実現するとともに音響状態も改善した。フラワーシェード照明システムとは、イベントに応じ中央リング照明を機能的な直接照明からムードある間接照明へと可変可能とする、今回開発した新しい照明システムである。本システムは「光を透過し、かつ音を吸う」新しい幕材料を天井より花びら状に吊り下げ、直径22mの中央リング全体を、巨大な照明器具へと変化させ、ドーム全体に華やかさを与えるとともに、昇降装置により自由に変化するその姿は、イベントの興奮を盛り上げる舞台装置としての視覚的効果をももたらしている。照明計画にあたっては演色性を重視し、光源にはメタルハライドランプが採用された。照明は、ドームの中央からの直接照明(中央リング)と、周辺からの間接照明(周辺リング)により構成されており、野球時照明用として、内野と外野に補助照明(第1関節部)が設置されている。


[効果]

 中央リング照明は、地上45mの高さに設けられたドームの架構を構成する構造材を照明用として設計したものであり、メタルハライドランプ1kW投光器169台をリング状に配置し、多重伝送方式によるパターン点滅方式の採用によりイベントに応じた明るさを自由に選択可能とし省エネルギーをはかった。

 ・野球使用時設計水平面照度:内野1000lx、外野500lx
 ・サッカー使用時設計水平面照度:500lx

 屋根中央の換気モニター部にはライトアップの為のマルチハロゲン灯も設置されており、夜間は内部の間接照明と共にドーム全体が発光体となって輝き、出雲のシンボルとなっている。

 スポーツ空間に求められる照明環境としては、競技者・審判員・観客の全てに対して必要照度が有害グレアの無い状態で確保されている事である。出雲ドームにおいては、ボールが見易くグレアの無い照明環境の確保を目標に各種シミュレーション(不快グレア・減能グレア・ボールと背景との輝度対比)及び模型実験を実施し問題点の把握と対策の立案を行うとともに竣工時の測定・評価実験により性能の確認を行った結果として、高校野球連盟立ち会い検査)が実施され、公式球場としての認定を受けた。

 フラワーシェードの性能としては、約12%の光の透過率を持ちながら、残響時間を約2.5秒下げる効果がある事を確認している。

 本研究の成果に対して、照明学会は、1992年、岩國 哲人(出雲市長)、柳 喜一朗(鹿島建設(株))、市川 孝誠(鹿島建設(株))、藤田 茂明(鹿島建設(株))、森 明(松下電工(株))、植田 慶幸(東芝ライテック(株))、宇矢 弘(鹿島建設(株))、脇田 芳典(鹿島建設(株))、竹内 房雄(島根電工(株))に日本照明賞を贈った。

文献

[1] 多彩なイベントに対応する出雲ドームの照明環境可変システム、1993年、照明学会全国大会

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分野のカテゴリ

照明
(照明技術)

関連する出来事

1992年
出雲ドーム竣工

世の中の出来事

1992
山形新幹線が開業する。
1992
ボスニア・ヘルツェゴビナが内戦状態となる。(ユーゴスラビア)

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博物館等収蔵品

データなし

キーワード

ドーム照明、照明環境可変システム、スポーツ照明、模型実験
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