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自動車用サイド排気ポート方式ロータリエンジンの開発

サイド排気ポート構造

図1 サイド排気ポート構造

カットオフシール構造

図2 カットオフシール構造

主要性能比較

図3 主要性能比較

1.概要

 サイド排気ポート方式ロータリエンジン(以下,RE)は,理論的には低燃費化を期待できる構造であったが,実用化上の課題解決のため,エンジン内部構造の改良に加え,燃料システムの改良を加えた.さらにこの構造の排気エミッションおよび機関出力特性に対する優位な特性を活かすための吸気・排気システムを開発した.その結果,環境要求と商品性を両立した,新世代のREを実用化した.また本技術の開発で,水素燃料へのREの適合性が高まり,将来の水素社会にも貢献するものである.

2.技術の内容

 従来のREは,アイドル運転時などでの燃焼安定性に課題があったために,燃費改善や排気ガス改善に大きな制約となり,その発展が大きく阻害されていた.本技術は,その課題を解決して,REの主要性能を同時に進化させたものである.以下にその技術について述べる.

 図1に示すように,従来REに採用されていたサイド吸気ポートとペリフェラル排気ポートとの組合わせでは,排気行程と吸気行程とのオーバーラップがあるため,アイドル燃焼安定性が悪く,REの燃費改善を大きく妨げていた.新開発のサイド排気ポートは,幾何学的にはこのオーバーラップを回避することができるが,ロータサイド面のクリアランスを介してのオーバーッラップは残るため,カットオフシール(図2)を新開発した.その結果,最大の課題であったアイドル運転時の大幅な燃焼安定性の向上などで20%の燃費改善を実現した.さらにサイド排気ポート化はロータリエンジンで排気エミッション中,最も多い未燃炭化水素の排出30%低減と,同時に吸気ポートの面積の30%拡大を可能とする.吸気の動的効果をきめ細かく活用したコンパクトなモジュール可変吸気機構を開発することで,幅広い回転域で極めて高い吸気充てん効率を実現し高密度エンジンヘと進化した.この開発の結果,図3の示すように,燃費・排気エミッション・最大出力のエンジン基本性能の改善を実現できた.

3.おわりに

 新開発したREは,2003年4月に国内市場に導入され,アメリカ,ヨーロッパ市場に順次導入された.12月末時点で,57480台生産され,年間生産予定台数の60000台を大きく上回る状況にあり,新型REに対する期待が世界中で高まっている.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2004年、田島誠司(マツダ(株))、布施 卓(マツダ(株))、清水律治(マツダ(株))、神原伸司(マツダ(株))、植木信也(マツダ(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

吸気充てん効率、可変吸気機構、サイド排気ポート、燃焼安定性、アイドル運転、ロータリエンジン、熱効率、汚染物質抑制、ガス流動、エンジン要素
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