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廃棄物処理高温ガス化直接溶融炉の開発と実用化

高温ガス化直接溶融炉の構造

図1 高温ガス化直接溶融炉の構造

連続出滓部の構造と主な特長

図2 連続出滓部の構造と主な特長

各務原廃棄物処理施設(処理量:192トン/日)

図3 各務原廃棄物処理施設(処理量:192トン/日)

1.概要

 本廃棄物処理炉は,家庭から出るごみから廃プラスチックや汚染土壌まで幅広い廃棄物を前処理なしに一つの炉で,廃棄物中の不燃分を溶融スラグ・メタル化して利材化すると同時に,可燃分をガス燃料化できる資源循環型の炉であり,無害化,減容化,高エネルギー回収の三つの課題を同時に達成できる特長を持つ.特に,溶融した不燃物を連続的に出す連続出滓(しゅっさい)技術は,コークスベッド型の廃棄物処理炉としては世界初の独創的技術であり,操業の安定化,作業の安全性強化と省力化に大いに寄与している.(注:滓とはスラグのこと)

2.技術の内容

 高温ガス化直接溶融炉の構造を図1に示す.本技術は,製鉄で培われた高炉の溶融技術とごみ焼却で実績のある流動床燃焼技術を組み合わせ発展させた技術である.廃棄物は流動化層に投入される.そこは,副羽口からの送風と高温燃焼溶融部からの燃焼ガスによって650~750°Cに維持されており,廃棄物の乾燥と熱分解が行われる.不燃分はコークスと共に下部の高温燃焼溶融部へ降り,揮発分はガス化して上方へいく.高温燃焼・溶融帯では,主羽口から送風される酸素富化空気によって2000°C以上の高温燃焼が行われ,その熱で廃棄物中の不燃分が還元状態で溶融され高品質なスラグとなる.上方のフリーボード部では,三段羽口からの送風で850°C以上の高温還元雰囲気を維持して,生成ガスのダイオキシン類の発生抑制やタール分の分解等ガス処理を行い,ハンドリング性の良いガスとして排気される.

 出滓口のある炉下部を図2に示す.主羽口と炉底間距離,炉底の形状や断熱性など炉下部構造を最適化し,溶融スラグの連続的に安定した滴下を維持している.また出滓口は,下半分を高温スラグに耐食性の高い材質のれんがに,上半分を炉内からのガス吹きに強い材質のれんがにすることにより,長期使用を可能にしている.

3.まとめ

 5件の廃棄物処理施設が日本国内で運転中であり,図3には岐阜県各務原市の施設を示す.廃棄物を資源利用する技術の充実を図ると共に,今後も地球環境を含め広く社会へ貢献する新技術創出に向け挑戦し続けたい.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2003年、松平恒夫(JFEエンジニアリング(株))、中村 直(JFEエンジニアリング(株))、鈴木康夫(JFEエンジニアリング(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

廃棄物、流動床、溶融スラグ、不燃分、可燃分、ガス化溶融炉、廃棄物燃焼、再生可能エネルギー、循環型社会、ごみ発電
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