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IC乗車券出改札機システムの開発と実用化

IC乗車券出改札機システム全体構成

図1 IC乗車券出改札機システム全体構成

IC乗車券の通信可能範囲滞留時間

図2 IC乗車券の通信可能範囲滞留時間

仮精算記録による降車時の運賃精算処理の高速化

図3 仮精算記録による降車時の運賃精算処理の高速化

1.概要

 非接触ICカードを用いたIC乗車券出改札機システムは,従来の磁気式乗車券システムと異なり,定期券と乗車券とを一体化した機能をICカードに有し,定期券区間によらず自動改札機のアンテナ部にタッチするだけで,定期券区間を考慮した運賃処理を瞬時に行う.このために,磁気式乗車券処理に比して「極めて短かい時間で乗車券処理を行う技術と出改札機」,及び「IC乗車券の繰返し再使用を可能とする技術と媒体」,等を開発し実用化した.キップの購入と精算を不要とし鉄道利用者の利便性を大きく高め,改札機のライフサイクルコスト低減及び券売機,精算機の設置台数低減を実現した.また,媒体の繰返し利用を図ることで資源リサイクルにも貢献している.

2.技術の内容

 IC乗車券出改札機システムの全体構成(JR東日本の場合)を図1に示す.出札業務(乗車券等の発行)や改札業務を行う機器群と,駅の収入管理や遠方監視を行う後方処理システムとで構築される.出改札機は,いずれの機器もIC乗車券機能を搭載する必要があった.以下にJR東日本のIC乗車券出改札機システムSuicaを例に技術の特長を述べる.

 自動改札において,IC乗車券が持つ定期券とSFの複合サービスを非接触で処理可能とする機能を開発する必要があった.実現に際しては,首都圏の朝夕ラッシュ時に改札口での通路支障を発生させないための処理スピードと信頼性が課題であった.このため,IC乗車券利用者の改札機通過時間を測定(図2)し必要処理能力を明確化した.IC乗車券とリーダライタと改札機制御部間の通信速度を向上させ,通信領域形状の適正化を図った.さらに自動改札機の判定部は,定期券区間外を乗降した場合の運賃計算を高速化するために,乗車時にあらかじめ定期乗継駅をカード内に仮精算記録する機能を考案し処理時間の短縮化を図った(図3).

 IC乗車券は,繰返し使用を可能とするためにバッテリレスカードを選択した.定期券は,継続購入時に券面を書きかえる必要があり,発色・消色性の優れたリライトシートを開発した.また,定期券発売機は,限られたスペース内にリライト機能を実装し印刷の高速化を図る必要があり,1サーマルヘッド,1サイクルで印刷制御を行う技術を開発し実現した.

3.おわりに

 大規模IC乗車券出改札機システムは,JR東日本で2001年11月18日から導入され,半年以上が経過した5月21日現在で約395万人の利用者に達している.これまで大きなトラブルもなく順調に稼動している.利用者からは,好評なご意見をいただく共に,今後の利用拡大も含め社会的な評価と期待が高くなっている.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2003年、鈴木勝美(ジェイアール東日本メカトロニクス(株))、椎橋章夫(東日本旅客鉄道(株))、片方 聡(東日本旅客鉄道(株))、永瀬秀彦(ジェイアール東日本メカトロニクス(株))、長谷川 潔(ジェイアール東日本メカトロニクス(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

出改札機システム、非接触ICカード、バッテリーレスカード、リライト機能、端末機器、メカトロニクス
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