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条鋼・線材用連続圧延設備

連続圧延設備構成

図1 連続圧延設備構成

DCフラッシュ溶接機

図2 DCフラッシュ溶接機

溶接接合部

図3 溶接接合部

フリー回転円形バイト機能模式図

図4 フリー回転円形バイト機能模式図

カエリレスバリ取り

図5 カエリレスバリ取り

1.概要

 「条鋼・線材用連続圧延設備」とは加熱されたビレットを熱間圧延設備において連続して接合し,無限長のビレットを圧延することと等価な「連続圧延」を可能とする設備である.過去に幾多の技術者が実用化を試みながら果たせなかった本技術の最大の課題は,「中実大断面素材の熱間短時間かつ高品位溶接技術と溶接機」の開発と「多少の素材の外形変位に対しても対応可能で,かつ製品の表面に欠陥を生ずることのない短時間処理可能なバリ除去方法と装置」の開発であった.これらの課題を克服するために,従来にない独自技術による「DC式高能率フラッシュ溶接機」と「フリー回転円形バイト式バリ取り機」を開発し,かつ高精度・高速処理可能な信頼性の高い制御システムを構築することで,この圧延にとって夢の技術を現実のものとすることができた.

2.技術の内容

 「条鋼・線材用連続圧延設備」の設備基本構成は図1に示すように,加熱されたビレットの圧延速度と同期しながら2本のビレットを接合する走間式溶接機と,固定式のバリ取り機から構成される.

 溶接機は図2に示す新方式の電源及び油圧システムを採用した小型高能率フラッシュ溶接機を開発した.従来のAC式に対し,インバータ式DC電源によりフラッシュの連続化と高出力化を図り,短時間溶接を可能とした.大断面の高品位溶接には溶接二次回路の低リアクタンス化とアプセットシリンダの高速応答が不可欠である.磁場解析によるリアクタンス算出手法により機械的制約を受ける溶接二次回路の導体配置を工夫し最適設計とマルチトランス化によってリアクタンスの極小化を実現した.アプセットシリンダの油圧については,従来の電気油圧サーボ弁を用いた大型油圧源システムに対し,ホースベアのないシリンダ直結の分散型油圧システムにより小型,高効率化と高速応答を両立している.以上により中実大断面の短時間かつ高品位溶接を実現し,連続使用においても問題のないシステムとなっている.

 図3は□150ビレットの溶接接合部であるが,バリの高さは15mm以上,裾野の幅も30mm以上あり,これをオンラインで数秒以内で平滑に除去する必要がある.ビレットの場合,板に比べ切削量が多いだけでなく,除去するバリおよび母材が1000°C程度の高温という状態であるため,従来の切削ではビレットの端面に大きな「カエリ」が発生する.このカエリは圧延上非常に問題となるため,「カエリレスバリ取り」が短時間処理とともに大きな命題であった.これらの課題を克服するために,フリー回転円形バイトを2段に配置し,圧延機の圧延力(引込み)を利用して,その間にビレットを通過させることでバリを切削除去する方法を考案した(図4).この結果,ビレットの端面に全くカエリの発生しない短時間処理完全カエリレスバリ取りを可能とした(図5).

3.まとめ

 今回開発した「条鋼・線材用連続圧延設備」は「EBROSTM」の商品名にて,2000年に海外より3件受注し,現在順次立上げ中である.このうちShiu Wing Steel Ltd.社(香港)向け設備は2001年7月に稼動を開始し,この夢の技術の期待された多くの優れた利点を現実のものとして順調に運転中である.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2002年、大川 進(日本鋼管(株))、土居 真(日本鋼管(株))、林 宏優(日本鋼管(株))、平瀬欣弘(日本鋼管(株))、菅原裕樹(日本鋼管(株))に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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キーワード

走間式溶接機、小型高能率フラッシュ溶接機、固定式バリ取り機、溶接(アーク溶接,レーザ溶接,プラズマ溶接)、除去加工、塑性加工(圧延,鍛造,押出,引抜,プレス加工)、鉄鋼材料(精錬・製鋼, 普通鋼, 特殊鋼, 鋳鉄・鋳鋼)、成形加工
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