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エアコン用高効率インバータ装置の開発と実用化

 エアコンの省エネ指標は2006年の省エネ法基準見直しにより、「定格能力運転時のエネルギー消費効率」から、「1年間通した冷房・暖房運転能力を表すエネルギー消費効率」へと変わった。これは実使用環境にて、定格能力の1/2以下での使用頻度が最も高いためで、インバータ装置の課題としては、特に低入力電力時の効率向上が挙げられる。

 今回、東芝は本課題に対応する高効率化技術を開発した。これは、コンプレッサモータを駆動するインバータ回路のスイッチング素子にSuper-Junction構造の低オン抵抗MOSFET(以下SJ-MOSFET)を採用し、さらにこのSJ-MOSFETの特性上の課題であった内部寄生ダイオードの逆回復電荷(Qrr)による損失を大幅に低減することで、実使用運転域でのインバータ効率を従来のIGBTで構成されたインバータ装置に対し飛躍的に向上させるものである。

 本技術は「Smart・PRE・SwitchingTM」と命名し、2006年2月より東芝小型エアコン「大清快」シリーズで初めて実用化し、次モデルにおいてさらに搭載機種を拡大した。

 今回開発した高効率「Smart・PRE・SwitchingTM」技術は、素子の特性上、PWMインバータへの適用が困難であったSJ-MOSFETを、業界で初めてコンプレッサモータ駆動への適用を可能にした。

 今回開発した回路・制御システムは以下の特長を有している。

 1. SJ-MOSFETを効率良く駆動するための逆電流注入回路をモジュール化することで低ノイズ、小型化を実現した。

 2. SJ-MOSFETは三相交流を生成する6個のスイッチング素子のうち、負側の3個の素子のみに適用した。また、この構成で十分な効果を得るため、負側素子の流通率を高めるように変調方式を工夫した。これによりコストアップが抑制でき、民生機器での適用を可能とした。

 3. 逆電流注入回路の駆動信号はエアコン制御用MCUにて生成し、パルス出力タイミングの最適化を図ると同時に、システムの簡素化を実現した。

 このように、新しいパワエレ応用回路の開発や、その制御方式の最適化により、Si半導体の損失を改善し、さらなる機器の省エネ化を実現するとともに、地球温暖化防止に貢献した。

 電気学会は、この成果を称えて、利年百明氏(東芝キヤリア㈱)、遠藤隆久氏(東芝キヤリアエンジニアリング㈱)、餅川宏氏(㈱東芝)に、2008年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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