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工場エネルギー供給最適運転制御システムの開発と実用化

工場エネルギー供給システムの最適化

図1 工場エネルギー供給システムの最適化

オンラインFEMS監視画面

図2 オンラインFEMS監視画面

省エネ効果推定法

図3 省エネ効果推定法

 近年、年間エネルギーコストが数十億円の工場エネルギー供給システムに対して、エネルギーコスト、一次エネルギー消費量、CO2排出量の最小化を目的として最適化手法により最適なエネルギー供給計画を立案する省エネ化システムが提案されている。この省エネ化システムの導入により1~3%の省エネ・省コスト効果が期待できる。しかし、エネルギーコストは、購入燃料や電力の単価、工場の二次エネルギー使用量、気温などの環境条件の変化によって省コスト以上に増減する可能性がある。したがって、これまでは、システム導入後にその効果を正確に把握する手段が確立していないことが問題となり、省エネ化システムの導入・実用化が進まなかった。本開発では、この問題を解決するため、運転員が環境条件の変化に応じてエネルギー供給システムを最適に運転していることに着目し、導入前の運転方式を最適化問題として定式化し、これを解くことによって導入後の省エネ効果を0.1%以下の誤差で推定する手法を新たに開発した。さらに、時々刻々と変化するエネルギー需要に応じて最適運転計画を高速で立案・制御するシステムを開発し、省エネ化システムの実用化に成功した。

 本開発の主な貢献は次の3点である。

 第1に、地球環境保全の観点から温室効果ガスの削減、一次エネルギー消費量の削減が要求されており、省エネに対する様々な取組みが実施されているが、国内の工場では既に高効率の設備の導入・更新により省エネ化を実現しており、ハードウェアによる省エネに限界がきている。本開発システムが、ソフトウェアアプローチである設備全体の運用の効率化などにより、さらなる省エネを実現させた貢献は大きい。

 第2に、本開発システムは、省コストだけでなく、省エネとCO2排出量の削減も同時に実現させることができるため、温室効果ガスの削減にも効果的である。

 第3に、最適化手法に基づく省エネ効果推定法は、環境条件が変化しても0.1%以下の誤差で推定できることを実プラントにおいて実証し、省エネ化効果が1.0%程のシステムにも適用可能であることを示した。これより、経営者が安心して省エネ効果を確信し、導入を決断できるようになったため、石油製油所、化学プラントなどでの省エネ化システムの実用化が実現できた。

 電気学会は、この成果を称えて、北村聖一氏、森一之氏、尾崎禎彦氏(三菱電機㈱)に、2008年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 北村聖一、森一之、進藤静一、泉井良夫、改良MOPSOによる工場エネルギー供給計画の多目的最適化、2005年、電気学会論文誌C、125巻、1号、21~28ページ(2005年)
[2] 北村聖一、森一之、尾崎禎彦、進藤静一、泉井良夫、最適化手法を用いた省エネ効果推定法の提案と工場エネルギー供給システムへの適用、2008年、電気学会論文誌C、128巻、1号、39~44ページ(2008年)

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キーワード

工場エネルギー供給システム、最適計画、最適制御、省エネ効果推定、FEMS (Factory Energy Management System)、DCS (Distributed Control System)、産業計測制御
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