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遮断器の位相制御開閉装置の開発

 遮断器の位相制御とは、従来ランダムであった遮断器の開閉タイミングを、最適に設定した系統電圧や電流の位相各で開閉するように制御する技術である。東芝では275kV系統のリアクトル遮断用にわが国初の位相制御開閉装置を1989年に納入しているが、今般、最新のデジタル制御技術とネットワークコンピューティング技術を新たに適用した新世代の位相制御開閉装置の開発に成功した。新世代の位相制御開閉装置は、従来のリアクトル遮断制御による過電圧による再発弧過電圧の防止に加え、送電線投入制御による投入サージ過電圧の抑制や変圧器投入制御による励磁突入電流の抑制など、幅広い用途に適用可能である。東芝独自技術である「1サイクル以内の開閉指令出力機能」、「変圧器残留磁束の常時計測アルゴリズムによる効果的な励磁突入電流の抑制機能」、「Webサーバ機能の搭載」など、高度な機能を実現した。

 従来発表されている位相制御開閉装置では、上位装置が開閉指令を出力してから実際に遮断器が動作するまで2サイクル以上の待ち時間が必要であった。開発した制御装置では開閉指令の遅延制御時間を常時予測演算することにより、この待ち時間を1サイクル以内に改善した。また、変圧器投入制御による励磁突入電流の抑制では残留磁束の計測性能がポイントとなるが、従来発表されている制御装置では、遮断後数100msという短時間の磁束計測結果から残留磁束を推定していたため、残留磁束の計測精度が不十分であった。また、開発した制御装置は、変圧器磁束を常時計測可能なアルゴリズムを採用することで、残留磁束の測定精度を大幅に向上させている。さらに、開発した制御装置はWebサーバ機能を搭載している。ユーザインターフェースには遠隔操作にも対応可能なWebブラウザ画面を採用し、操作性と保守性の向上を実現した。

 以上のように、位相制御開閉の高精度化と保守性の向上を両立させた新世代の位相制御開閉装置は、変電機器のサージ低減による信頼性の向上、電力品質の確保、運用自由度の拡大に大きく貢献するものである。

 電気学会は、この成果を称えて、齋藤実氏、前原宏之氏、腰塚正氏(㈱東芝)に、2008年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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