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共振アクチュエータの研究と音波振動歯ブラシへの応用

 近年、オーラルケアへの関心が高まる中、電動歯ブラシのブラッシング動作の高速化、多様化が求められている。そこで、モータとカムによる振動機構を革新するため、リニアアクチュエータによるダイレクトドライブ駆動に注目し、小型・高効率で低振動なリニア共振アクチュエータを開発した。その基本構造として、プランジャ貫通型の静音アクチュエータ部と、振動を抑えるための動吸振器が一体化されている。磁石をステータ側に配することで、大きな磁石エネルギーを得るとともに、コイル電流による磁束が、磁気抵抗の大きな空気ギャップや磁石部を通過しない磁気回路を提案し、効率的な磁束制御が可能となった。さらに、可動部にバネを付加して、共振を利用することで世界最高の振動数(15500min-1)、効率(90%)を実現した。また、手元への振動を抑えるために、可動部の振動と逆位相となる振動モードにて駆動する動吸振器を一体化して、低振動(10.0m/s2)・低騒音(42dB)を実現した。さらに、歯ブラシ動作の多様化のため、リニア・回転を任意の周波数にて同時に振動させる2次元共振アクチュエータを提案し、マルチアクション音波歯ブラシを実現した。

 従来の電動歯ブラシは、モータを駆動源とし、複数の樹脂製カムを用いて直線動作に変換させる機構が一般的であったため、カムの磨耗を防ぐため振動数の限界が8000m-1であった。そこで、世界に先駆けて、小型で高効率なリニアアクチュエータ(PAT-USP6873067, Linear Oscillator)の開発によるダイレクトドライブを実現した。さらに、ブラシ動作の多様化に対して、マルチアクションを実現できる2次元共振アクチュエータを開発した。これらのユニークなアクチュエータの開発とともに、手元振動を抑えるために、可動部とバネにて直結した動吸振器を一体化したシステム(PAT-特許第3475949、リニアオシレータ)は、画期的な開発である。

 世界最高性能の振動数、効率、低振動・低騒音を実現した革新的な共振アクチュエータ、振動制御技術を世界に先駆けて電動歯ブラシへ搭載し、現在までに約150万台生産され、技術の普及を図るとともに市場を牽引してきた。また、本技術は広く産業機器、ロボット分野への応用が期待できる。

 電気学会は、この成果を称えて、平田勝弘氏(大阪大学)、長谷川祐也氏(松下電工㈱)に、2007年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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