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階調制御型瞬低補償装置の開発

 系統に直列に挿入する方式の瞬低対策装置では、インバータを系統に接続するための注入トランスやフィルタを必要としていたが、階調制御型インバータによりひずみの少ない電圧を発生させてトランスを介さず系統にインバータを直接接続する方式を開発した。階調制御型インバータは直流電圧が異なる複数のインバータユニットを直列接続するものであり、電圧の高いインバータほどスイッチング回数が少なくなる。しかし、この方式ではインバータユニット間で直流コンデンサが分割されるため、電圧低下が小さい瞬低では特定のユニットの直流コンデンサのみが放電する。また、三相システムでは単相のシステムを各相独立して設けるため、不平衡の瞬低時には直流コンデンサの電圧が各相で異なってしまう。それらの欠点を解決するために、インバータユニット間および相間でのエネルギー流用制御方式を開発した。また、瞬低補償後に放電したコンデンサを特別な充電回路を用いずに系統に直列に接続したインバータを通して高速に充電する方式を開発した。

 3レベルや直列多重のPWMインバータが実用化されているが、回路や制御の複雑さに見合った十分な効果が得られていないのが実状である。開発者らの階調制御型インバータは、デジタル情報処理の考え方をパワエレに応用した独創的なものであり、直列段数を増やしていくことにより飛躍的にレベル数を増加させることができる。スイッチング周波数を低下でき、またフィルタの小型化が可能であることから、PWMインバータが持つ多くの課題を抜本的に解決することができる。ただし、直列接続されるインバータユニットへの電力供給が実用化のための大きな課題であるが、この課題をエネルギー流用制御方式により解決した。これにより、階調制御型インバータの実用化が可能となったといえる。

 電気学会は、この成果を称えて、岸田行盛氏、山田正樹氏(三菱電機㈱)、羽田野伸彦氏(関西電力㈱)に、2007年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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