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実用超電導ケーブルの開発

三心一括型超電導ケーブルの構造

図1 三心一括型超電導ケーブルの構造

長尺超電導ケーブルの現地布設状況

図2 長尺超電導ケーブルの現地布設状況

超電導ケーブルシステムの実系統への接続状況

図3 超電導ケーブルシステムの実系統への接続状況

 ビスマス系高温超電導線材を用いて、液体窒素温度(約-200°C)にて超電導状態となる超電導電力ケーブルを開発した。構造は断熱管の中に三心ケーブルコアを収納した三心一括型である。超電導線はフォーマの上にスパイラル状に巻かれており、大電流を通電することができる。電気絶縁はポリプロピレンラミネート紙を積層しており、液体窒素が含侵することで良好な電気絶縁特性を示す。断熱管は、2重のステンレス製コルゲート管で作られており、官の間は真空に保たれている。

 本超電導ケーブルの早期の実用化を目指しており、この度米国NY州Albany市にて350m長34.5kV級超電導ケーブルを地中管路に布設し、06年7月に竣工、長尺超電導ケーブルでは世界ではじめて実系統での運転をスタートし、その後安定に運転できている。実用長尺ケーブルの開発には、熱収縮対策、長尺真空断熱管の開発、短絡電流対策などの新しい技術が導入されている。さらに、実用化に不可欠なケーブルジョイントも、世界ではじめて開発し、線路の途中に設けて実証運転中である。

 超電導ケーブルは、電力分野の数少ない新技術の一つであり、将来の大容量送電技術に期待されている。超電導ケーブルは、コンパクトな形状で大容量の送電が可能であるので、ケーブルの布設スペースを削減でき、建設コストを低減することができる。一方、送電損失も冷却に必要な動力ロスを考慮しても、従来ケーブルの1/2~1/3となるので、省エネルギー、対地球環境に良好な特性を有している。

 今回の開発においては、長尺ケーブルの製造技術、長尺ケーブルの地中管路布設技術、長尺真空断熱管の開発、冷却時の熱収縮対策、ジョイント技術、短絡電流対応など、超電導ケーブルの実用上必要な特性を全て網羅しており、実際に実線路にて実証できている。

 電気学会は、この成果を称えて、廣瀬正幸氏、増田孝人氏、湯村洋康氏(住友電気工業㈱)に、2007年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 廣瀬正幸、山田雄一、増田孝人、佐藤謙一、畑 良輔、高温超電導の実製品化検討、2006年、SEIテクニカルレビュー、第168号(2006年3月)
[2] 湯村洋康、増田孝人、渡部充彦、滝川裕史、芦辺祐一、伊藤秀樹、廣瀬正幸、八束 健、佐藤謙一、畑 良輔、長尺三心一括型高温超電導ケーブルによる世界初の実線路建設と商用運転(米国ALBANYプロジェクト)、2007年、SEIテクニカルレビュー、第170号(2007年1月)
[3] 湯村洋康、芦辺祐一、大屋正義、渡部充彦、滝川裕史、増田孝人、廣瀬正幸、八束 健、伊藤秀樹、畑 良輔、高温超電導ケーブルの実系統線路への適用(米国ALBANYプロジェクト)、2009年、SEIテクニカルレビュー、第174号(2009年1月)

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超電導、超電導線材、超電導ケーブル、低損失送電、実系統送電、電線・ケーブル、超伝導・超電導
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