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66/77kV架空送電線用短絡対応続流遮断型アークホーンの開発

短絡対応続流遮断型アークホーンの外観図

図1 短絡対応続流遮断型アークホーンの外観図

 架空送電線に発生する電気事故のうち約6割が落雷によるものであり、発生すれば系統から事故区間を切り離さなければならず、供給信頼度の低下をもたらす。また、近年の社会情勢下においては、瞬時電圧低下の影響も無視できない。落雷による電気事故対策としては、従来から送電用避雷装置が採用されてきたが、高価であること、また鉄塔の改造を要することから、安価な対策装置の開発が望まれていた。

 本開発研究においては、従来から用いられているアークホーンにポリアミド樹脂を付加するだけの非常に簡易な構造で雷事故発生時の続流(商用周波の短絡電流)を遮断できる雷害対策装置の開発に成功したものであり、実線路への取付けにより落雷による電気事故低減に効果をあげている。

 従来の送電用避雷装置は落雷時の事故電流(雷電流)を酸化亜鉛素子の非線形特性を利用して限流し、電路の絶縁を速やかに回復させるものであったのに対し、続流遮断型アークホーンは雷電流によって絶縁破壊された後の続流を事故電流によって発生したガスにより消弧するものであるため、遮断性能が事故電流(雷電流)の大きさに左右されない。

 また、アークホーン全体が絶縁物で被覆されているため、鳥獣などによる地絡事故防止機能も有している。これらの優れた性能面に加え、導入コストが従来の送電用避雷装置の約1割と非常に安価であることから、現在、全国の電力会社で雷事故が多い地域を中心に22,285本の使用実績(2006年9月末現在)があり、雷事故防止に効果をあげている。よって、本件は架空送電線路の雷事故防止に寄与する画期的な開発である。

 電気学会は、この成果を称えて、中山正人氏(関西電力㈱)、金辻浩明氏(東京電力㈱)、岩田幹正氏((財)電力中央研究所)、上村健太郎氏(日本カタン㈱)に、2007年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 岩田幹正、千野孝、中山正人、安達元久、上村健太郎、氏原伸彦、66/77kV 用短絡対応続流遮断型アークホーンの開発、2004年、平成16年電気学会全国大会論文集、No.7-088
[2] 岩田幹正、田中慎一、大高聡也、合田豊、木内量之、安達元久、上村健太郎、66/77kV用短絡対応続流遮断型アークホーンにおける電流零点近傍のアークパラメータ、2005年、平成17年電気学会全国大会論文集、No.6-205
[3] 岩田幹正、田中慎一、大高聡也、合田豊、66/77kV用短絡対応続流遮断型アークホーンにおける電流零点近傍の電子密度、2006年、平成18年電気学会全国大会論文集、No.7-139

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雷対策、続流遮断型アークホーン、短絡電流、雷、架空送電線、送電、放電
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