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地理情報システム向け多次元データ構造の開発と応用展開

3次元設備管理システム

図1 3次元設備管理システム

レイトレース法を用いた電波伝搬シミュレータ

図2 レイトレース法を用いた電波伝搬シミュレータ

電波伝搬シミュレータのパンフレット

図3 電波伝搬シミュレータのパンフレット

 国土空間基盤データの整備が急ピッチで進められる中、その利活用のキーとなる地理情報システムを高速化し、ユーザビリティを高めるための多次元データ構造を開発した。K-d木をベースとする本データ構造は標準フォーマットであるG-XML形式の地図データに対し付加的に構築可能であり、負荷の大きい3次元地図管理に対してもアプリケーションに合わせて、例えば、地上高層、地下低層、地下といったレイヤーに対応した複数の独立したK-d木構造を用意することで効率的に対応可能である。本データ構造を用いて構築した都市空間の電波伝搬シミュレータでは、電波伝搬計算自体がこのデータ構造により高速化され、半径1kmの領域では従来手法に比べて1桁近い高速化を達成、実測値との比較でも90%近い正答率を実現した。また、モバイル地図システムへの適用では、本データ構造を利用して端末側で表示対象範囲のデータを高速に切り出すことで、初期画面表示時間を1/3~1/7に短縮化、歩行ナビゲーションに適用して行ったアンケート調査でも高いユーザビリティの評価が得られた。

 官民挙げての空間データ整備が進められる中、その活用をいかに広範に推進していくかが大きな課題となっている。開発されたデータ管理手法は、開発者らの長年にわたる地図情報システムへの取組み経験を基盤として構築されたもので、リソースが厳しく制限されるモバイル環境や膨大なデータ量を扱わなくてはならない3次元地図応用に対しても、元となる地図データの形式をくずすことなく有効に機能する構造を与えている。本研究開発では、基本的なデータ構造の提案にとどまることなく、3次元地図を用いた電波伝搬シミュレータやモバイル地図システムといったシステム構築を行うことにより開発したデータ構造の実応用のレベルでの有効性が検証されていることが従来の研究開発と一線を画している。特に、電波伝搬シミュレータについては既に製品化にいたっている。以上のように、本開発内容はこれからの社会基盤となる空間データの活用に関して大いに貢献するものである。

 電気学会は、この成果を称えて、瀬尾和男氏、玉田隆史氏(三菱電機㈱)、西田正吾氏(大阪大学)に、2006年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 玉田隆史、中村泰明、多次元データ構造に基づく3次元仮想都市空間の管理と高速描画、1995年、電子情報通信学会論文誌、Vol.J78-D-II No.8,pp.1205-1213
[2] 玉田隆史、稲沢良夫、三木章義、瀬尾和男、西田正吾、レイトレース法のための3次元地図情報を用いた電波伝搬パスの高速算出手法、2002年、電気学会論文誌、Vol. 122-D, No. 5, pp.481-488
[3] 玉田 隆史, 門馬 啓, 瀬尾 和男, 土方 嘉徳, 西田 正吾、XML空間インデックスを用いた携帯端末におけるG-XMTLデータの効率的な管理方式、2003年、電気学会論文誌、Vol. 123-C, No. 1, pp.19-25

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多次元データ構造、地理情報システム、マルチメディア、3次元地図、ヒューマンインタフェース、産業システム、その他(電気応用)
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